これまで、

このブログでは

事業再構築補助金のポイントを

解説してきました。

 

注意すべきポイントについて

細かく解説してきましたが、

正直、同じようなポイントは

ほかの中小企業診断士や

コンサルタントも解説しております。

 

そこで今回は、

“事業再構築補助金の落とし穴”

と題して、

おそらく他の中小企業診断士や

コンサルタントが

指摘しないポイントについて

解説したいと思います。

 

中小企業の経営者にとっては、

補助金は魅力があります。

 

申請要件は厳しいものの、

採択されれば

返す必要がないお金だからです。

 

この返す必要がないというのは、

非常に大きなポイントです。

 

借入で資金を調達すれば、

もちろん利子をつけて

返済する必要があります。

 

また、最近では

クラウドファンディングも

利用されるようになり、

内容によっては

“寄付”という形で

資金を調達できる

場合もありますが、

一般的には

利益がでれば

配当という形で

出資者に還元する必要があります。

 

このように、

一般的な資金調達方法では、

何らかのコストが発生します。

 

一方、

補助金はこのようなコストは

発生しません。

 

だからこそ、

多くの経営者は

使える補助金は

極力利用しようとするのです。

 

そんな補助金ですが、

いいことばかりではありません。

 

補助金の原資は、

国民の税金のため、

用途を国民に明らかにする

必要があります。

 

だからこそ、

厳しい申請要件が

課されるのです。

 

この要件については、

このブログをはじめ、

多くのサイトでも解説していますが、

問題は採択された後なのです。

 

多くの中小企業診断士や

コンサルタントは、

採択の支援はしますが、

その後の支援は

しない場合が多いです。

 

もちろん、

採択後のフォローを行う

中小企業診断士や

コンサルタントもいるのですが、

私が指摘したいのは

そこではないのです。

 

事業再構築補助金の

公募要領の23ページに

次のような注意書きがあります。

 

「本事業の進捗状況等の確認のため、

事務局が実地検査に

入ることがあります。

また、本事業終了後、

会計検査院や事務局等が

抜き打ちで実地検査に

入ることがあります。

この検査により

補助金の返還命令等の

指示がなされた場合は、

これに必ず従わなければなりません。」

 

ほとんどの中小企業診断士や

コンサルタントは、

この注意書きを指摘することはありません。

 

しかし、この注意書きは

かなり重要なポイントなのです。

 

先ほど、補助金の原資は、

国民の税金であると言いました。

 

そのため、

事業再構築補助金に限らず、

国や国が関与している機関が

計画した補助金は、

会計検査院の検査対象となるのです。

 

会計検査院は、

憲法90条で規定されている機関で、

国会、裁判所、内閣

いずれの機関からも

独立した機関です。

 

いきなり憲法の話を持ち出して、

大げさな、と思われるかもしれません。

 

しかし、現実問題として、

会計検査院による検査は

実際に行われるのです。

 

特に事業再構築補助金は、

令和2年度第3次補正予算で

1兆1485億円計上されています。

 

中小企業向けの補助金の

予算としては異例の規模です。

 

従って、

この補助金に対する検査は

かなり重点的に行われると

考えて間違いありません。

 

もちろん、

事業再構築補助金の公募要領に

記載されている通り、

証憑類を整理して

保管しておけば問題は

ありませんが、

実地検査は

かなり細かい点までチェックされます。

 

感覚でいえば、

税務調査と同等と

考えてもらえば結構です。

 

事業再構築補助金が

無事採択された暁には、

事業計画書に従って

事業をすすめることは当然ですが、

それに合わせて

請求書等の管理も

しっかり行う必要があることは、

肝に銘じておく必要があります。