民家が建ち並ぶとある郊外。
そこにある、小さな公園。
近くに住む人々が憩い楽しむ場所に、ぼくは、嫁や娘、義理の父や母、自分の父母と共に遊びに行った。
砂場で戯れ、色とりどりの遊具からは、はじけるような、子供たちの声が響く。
空には高い入道雲。
ギラギラと照り付ける太陽と、その光に照らされキラキラと輝く噴水。
悪いことなんて、全く起きることない、いつもと変わらない日常。
どーんと、腹の底を震わせるような大きな音が鳴ったかと思うと、公園の近くのマンションから煙があがり、ほとんどが消し飛んだ。
きらびやかな声に包まれていた公園には、悲鳴という悲鳴が叫びあがる。
今度は、遠くの方で花火が打ち上がるような、ヒュルルーという音が聞こえ、その音が消えると同時にまた、どーんと地響きが鳴る。
大人達の混乱と子供たちの悲鳴…
僕は空をみあげる。
薄い青空と入道雲の隙間に、小さな三機の飛行機の影を見つけた。その飛行機からピカピカと何かが光ると同時に、さっきの花火のような音がし、また地響きがした。
爆弾じゃ!
どこかで誰かがさけんだ。
また、公園の近くの家が消し飛ぶ。
三機だった飛行機の機体の他に、もう一機の飛行機が、まるで公園にいた人々をみつけたように、ぶぉんぶぉんと不気味な空気音をなびかせながら、徐々に近づいてくるのがわかった。
機体が大きくなってきて、頭の上をこするのではないかと思うくらいの低空飛行で、公園の上を一度飛び過ぎると、また、向こう側で旋回し、不気味な羽音をさせ近づいてくる。
狙われるぞ、逃げろ!
また、誰かがさけんだ。
公園から人々が、蜘蛛の子を散らすように、散り散りになって逃げていく。
僕達家族も、その声を聞くか聞かないかの内に、逃げ出していた。
公園から急いで離れる。
すぐに二手に別れる路地になっていて、僕は、家族を左側に行くように指示する。右側は、大きな幹線道路になっていて、身を隠すような場所がなかったからだ。
家族に、地下のある建物を探し、できるだけ下へ行くようにと言い残し、僕は、大通りの方へ走っていく。
不気味なエンジン音をした飛行機が、大通りの方へ飛んでくるのが分かった。
パパパパと何かを浴びせかけるような音が後ろからする。
後ろを向けばやられる。そう思いながら走っていると、前を走っていた男が、そのパパパパという音がした瞬間に地面に倒れた。
何度も何度も爆竹を破裂させたような音が響く。
幹線道路の真ん中には、ヤシノキだかなにかの、大きな木が等間隔で植えらていて、ふいに、そのヤシノキの木陰に、誰かから引っ張られるようにされ、僕は倒れこんだ。
ここにおったら、狙えん、絶対に出るな
木陰に引っ張りこんだ初老の男性に言われた。
戦争や、これは戦争や。戦争はふいに始まるんや
男性はそう言った。
そんな所で目が覚めた。
めざましをみる。
八時十五分だった。。。
今日は、広島に原爆が投下された日。
この八月は
何かを思う日。
僕たちの未来と、これまでの過去。
そんな事を、ちゃんと、考える日。
そんな八月でも良いと思う。