研究者の先生は、ひじょうに断片的な事象に対して研究していて、けっして総合的な(あるいは
現実的な)研究をしているわけではないのです。
例えば、ネズミの実験で「夕食をたくさん食べると肥満する」なんていう研究結果を出してきま
す。でもそれは、人間の体、社会生活、食事方法には直接結びつかないことなんです。ところ
が、それを聞きつけたマスコミが、「これはイイ話ネタだ」となって、世の中へ(まことしやか
に・・・)報道する。それが広まっていくと、いつの間にか常識と言われるようになります。
これに似たようなことは(常識とまではいきませんが・・・)、健康食品の中でもたくさんありま
す。某大学の先生の研究を、その先生もテレビに出演して紹介します。
そうすると、一般庶民はかなり信用します。でもそれは、ごく限られた条件下での研究で、実際
に効果があるのか全くわかりません。それでも、多くの消費者がワッ、と飛びつき、ブーム素材
というものになっていきます。
「ヒトが肥満になる」のは、体内に余った脂肪がたくさんたまったためなんです。だから、太っ
た人がやせるためには、とにかくこの体脂肪を減らします。ところが、「ダイエットで1週間に
何㎏もやせられる」なんて思っている人がいるので説明しますが、こういうダイエットの場合に
は、肝心の体脂肪は減らないで、体内の水分が減ったり、筋肉を失って体重が減ります。くわえ
て、栄養のことは無視していますから、必ずリバウンドが起きます。
カロリーだけでなく、その他のタンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養も不足します。
いわゆる“飢餓”に近い状態を続けているので、体の方では「生命が危険だ」とキャッチしま
す。
こんな状態でやせてもダイエットをやめれば、今度は目の前には豊富な食事がありますから、反
動として過食になり、体内にため込む脂肪の量もダイエット前よりも増加します。
しかも、この脂肪がたまることには際限がありません。私たちの体内には「脂肪細胞」が存在し
ますが、今の食事はカロリーがひじょうに高いので、この細胞内に脂肪をどんどんため込んでく
れます。
この細胞内に脂肪をため込む方法は二通りあります。一つは、細胞を“肥大化”させること。も
う一つは、細胞の“数”を増やすことです。
脂肪細胞は、ため込む脂肪の量に応じて、風船玉みたいにふくらんだり縮んだりして、最も小さ
な状態から比較すれば最大で百倍の大きさになります。
そして、正常な大きさの3倍ぐらいまでに肥大化すると限界に達して、次には細胞分裂によって
脂肪細胞の数を増やすようになります。
脂肪細胞の総数は、肥満のない成人の場合で250億~300億個。これが、高度の肥満者にな
ると、なんと10倍の3000億個にも増加します。
しかも、この細胞の増加数には制限がないので、(細胞の肥大化もともなって・・・)いくらでも肥
満してしまうんです。
ではまた次回
目に止まりました
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