血液中に中性脂肪が増え、その状態が長く続くと、動脈硬化になります。
動脈硬化になると、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、閉塞
性動脈硬化症などを引き起こします。
血液の中に中性脂肪が増えると、善玉コレステロール(HDL)が減り、逆に悪玉コレステロールが
増加します。
これは、悪玉コレステロールが血管の壁にこびり付き、血小板が凝集して血栓もできやすくなる状態
です。
そして、動脈がどんどん厚くなり、その結果血管の内側が狭くなり血液が詰まりやすくなるの
が、動脈硬化です。
動脈硬化は、「粥状(じゅくじょう)硬化」「細動脈(さいどうみゃく)硬化」「中膜(ちゅうまく)
硬化」の3つに分けられます。
中でも粥状硬化は、大動脈、脳動脈、冠動脈など比較的太い動脈に起こる硬化なので、粥腫が破
れると血栓がつくられ、動脈は完全にふさがってしまいます。
このように、動脈硬化は、高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙、高尿酸血症、肥満、運動不足、ス
トレスなどの危険因子がからみあって起こりますので、動脈硬化の治療や予防においては、まず
これらの危険因子を減らします。
脂肪肝も動脈硬化のもと
肝臓にはもともと脂肪が3~5%含まれていまして、それが5%以上になると脂肪肝と言われ、肥満や
糖尿病患者の半分が、この脂肪肝といわれています。
脂肪肝で肝臓に溜まっている脂肪のほとんどは、中性脂肪です。
脂肪肝になると、肝臓の重要な働きである解毒作用や代謝がうまく作用しなくなり、便秘や極度
の疲労感といった症状があらわれます。
しかし、血液検査やCT検査を受けて診断されない限り、自分では分かりにくい病気です。
脂肪肝は年齢的には30~70代に多く、男性は40歳前後、女性は40代以上の中高年に多いようで
す。
脂肪肝の原因は、肥満とアルコールの飲み過ぎで、脂肪肝を治療しないでおくと、やがて肝硬変
へ移行し、肝臓がんに発展します。
特にアルコール性脂肪肝は、肝臓の繊維化が進みやすいので、肝硬変になりやすいといえます
し、動脈硬化、高血圧、肝炎、心臓病、脳卒中などのリスクも高くなります。
脂肪肝は、大量にお酒を飲む人の約80%に見られますので、まずはお酒の飲みすぎに注意し、脂肪
を取らない食事を心がけ、適度な運動を行いましょう。
予防には
1 食べ過ぎない
食べ過ぎるとエネルギーの過剰摂取になりますので、まず、決まった時間に食事を摂ることで代
謝のリズムを整えます。
そして、1口食べるごとに30回噛むことを目安に、ゆっくりよく噛んで食べるように
して腹八分目でも満腹感を得て、食べ過ぎを防ぎましょう。
2 炭水化物(糖分)とアルコールを控える
特にカクテルなどの甘いお酒はカロリーが高いので、なるべく避けましょう。
また、余った糖類は糖質から中性脂肪に変換されて備蓄され、たまっていきますので、中性脂肪
のもとになる糖質の過剰摂取にも、注意する必要があります。
3 抗酸化食品を摂る
体内に取り入れた酸素の約2%は活性酸素になりますが、増えすぎると血管壁の細胞を酸化させ、
血管壁を傷つけます。
これは動脈硬化を引き起こす原因になりますので、抗酸化食品を積極的に摂りましょう。
抗酸化作用のある食品は、ビタミンEを多く含むナッツ類、緑黄色野菜、イモ類、果物、海藻類な
どです。
中性脂肪に有効な成分
1 食物繊維
食物繊維は水分を吸うと膨らみ、腸で中性脂肪や糖質を吸着し、便として体の外に出してくれます。
2 大豆たんぱく質
大豆たんぱく質に含まれているβ-コングリシニンは、中性脂肪を低下させる働きがあります。
3 アミノ酸
空腹時や、食後2時間以降にアミノ酸を摂ると、脂肪の分解が効果的に行われます。
4 Lカルニチン
遊離脂肪酸と結合し、エネルギーとして消費されるカルニチンは、脂質の代謝に必要な成分で、
カルニチンが不足すると、脂肪酸をエネルギーにして使用できず、中性脂肪が増えます。
5 ナットウキナーゼ
納豆菌が作り出す酵素ナットウキナーゼには、中性脂肪が原因で起こる血栓を溶かす働きがあ
り、薬よりも持続時間が長いため効果が大きいのです。
6 カテキン
緑茶ポリフェノールの中のカテキンは、食事によって中性脂肪が上昇するのを抑える働きがあ
り、食後に飲むと効果的です。
7 オレイン酸
オレイン酸には、善玉コレステロールを下げずに悪玉コレステロールを下げる作用があります。
8 DHA(ドコサヘキサエンサン)
DHAには、中性脂肪を下げる効果や、悪玉コレステロールだけを下げる作用がありますが、アレル
ギー反応がでる場合もありますので、摂りすぎるのは禁物です。
ではまた次回
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