
| 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき |
| ( 百人一首 : 猿丸太夫 ) |

| 季節が巡る |
| 肌を焦がした陽射しも今は過ぎ去って |
| 山肌を紅く染めて往く |
| 山へ分け入り 山と語らう |
| 樹々達と挨拶を交わす時 |
| 疲れた心が静かに溶けて往く |
| 岩肌の苔は潤いを漂わせ |
| 樹や葉や草花が輝き微笑んで |
| 僕を受け入れる |
| 遠くに聴こえるせせらぎの音 |
| 澄み切った空気 |
| 谷を渡る風 |
| 優しく頬を撫でて通り過ぎて往く |
| 鳥が囀り谷を渡る |
| まるで恋人たちの囁きの声 |
| 自然に抱かれる |

| 眼前に現れし野生の鹿 |
| 歌にある恋人を探していたのか |
| それとも神様のお使いだったのか |
| 何か言いたげに |
| 目線を合わせて微笑んで見せたのに |
| 山中深く姿を消した |
| 命の輝きの瞬間(とき) |
| 人生を思わせる出来事だった |
| もう直ぐ季節は移る |
| 見えているのに手が届かない |
| 直ぐそこに君は居るけれど |
| まるで野を駆ける鹿 |
| あるがまま |
| 自然を生きている |
| 愛するって何だろう |
| 生きるって何だろう |
| 僕は |
| 君と語りたい |
| 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき |
| 人里離れた奥山で 散り敷きつめられた紅葉を踏み分け |
| 雌鹿が恋しいと鳴いている |
| 雄鹿の声を聞く時に秋がもの悲しく感じられる |
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