『 愛と死の軌跡 』
これは僕が約20年前に経験した実話です
大切な友人の記録です
どうしても読んで欲しくて書きました
大学時代の友人が死んだと連絡が入った
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彼の実家は自動車用品店
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某自動車メーカーのプロのテストドライバーだった彼
プロの技術は一般人と比較にならない
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走行中に発生した如何なる状況に陥っても
自分が助かる技術を持っている
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そんな彼が自動車事故で亡くなりました
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警察の検視では
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プロの腕を持ってすれば
確実に助かることが出来た状況だと言うのです
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それなのに彼は死にました
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自分の腕を持ってしても
事故は避けられない状況だと判断した上で
一瞬の内に結論を出したのでしょう
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助手席を守る事を選んだのだと
警察は検視結果を出しました
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事実
助手席は無傷に近かったと聞きました
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反対車線から飛び込んで来た対向車を避けた結果の事故
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助手席を潰せば
自分が助かる事は
彼の技術を持ってすれば簡単な操作でした
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プロは反射的に自らを守るテクニックを身に着けています
そんな彼が
一瞬の内に助手席ではなくて
運転席を潰す事を選びました
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助手席には婚約者が乗っていたから
彼女を守る為の運転操作だったのでしょう
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自らの命よりも
彼女を守りたいという愛が勝った
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大切な人を助手席に乗せる度に
この出来事を思い出します
自分の中には彼が生き続けています
まるで彼が僕を守ってくれている
そう思う事があります
きっとこれからも
守ってくれるのだと思います
考えてもいないのに
不意に思い出しますから
・
だけど僕には聞こえるんです
☆
お前も
大切な人は
自分の体を呈してでも守れよ
☆
そんな彼の声が
今も聴こえます

天国にいる友人へ
ありがとう
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