結果は、中村、キダ両人はオンするどころか三球とも客席の椅子の中へ飛び込んだのでした。それでも壁面に当たったりして器具などを壊さなかっただけ我々もほっと胸をなでおろしたのです。

流石に岡本プロは、一球はわずか届かずでしたが二球は見事に舞台上のグリーンに乗りました。但し狛林氏の望んだホールインワンはなりませんでしたが・・・。

それにしても、まだ新人時代とはいえ岡本綾子があんなところでのゴルフをよく引き受けてくれたものだと、後で冷や汗かいたものでした。

「恐らく岡本綾子にとっても、あんなところでゴルフをしたなんて始めてのことと違うやろか」とのちに鋭ちゃんと話した時、彼曰く「あの生まれてはじめての経験が彼女を世界のアヤコにしたと思うね。いわば我々は世界のアヤコの生みの親みたいなもんや」。

マジでそう思ってるだけに幸せな人物であります。

けど、本番ではいやな顔もせずに楽しそうにそして真剣にABCホールの舞台のホールを狙ってショットを放ってくれた彼女の大ファンに、その後の私をさせてくれたことは確かです。

あとで聞いた話ですが、狛林氏は放送を見た上司から「なんという危険な非常識な番組を作ったんだ」と叱責を受けたそうです。

当時は「なんぞ面白い番組を作ったろやないか」といつも考えて、それを実現させてしまう職人みたいな人間が何人も居て、それを許して作らせる土壌が放送界にもあったんです。だから台本作りの我々も楽しい思いをしながら仕事が出来たんだと言うことです。