仁鶴さんとの仕事で忘れられないのが「ナイトパンチ」です。

関西テレビで昭和四十七年の年明けからスタートした深夜のバラエティー番組で、出演が笑福亭仁鶴、西川きよし、コメディー№1、のちには上岡竜太郎、桂きん枝、更にはホステス役で由美かほる、木の実ナナといった顔ぶれで毎週金曜日の夜に放送され、スタート直後から人気を集めた番組です。

番組の作、構成を一人で受け持つて、毎週文字通りバラエティーに富んだ趣向を考えるのが一苦労でしたが、その中でのレギュラーコーナーに「仁鶴ズ・トピックリー」と「ザ・タッチャブル」というのがありました。

「仁鶴ズ・トピックリー」というのは、番組のオープニングで仁鶴がその日の夕刊各紙から面白そうな記事を幾つか紹介して、そのあとにそのニュースをネタにした小咄で落ちをつけるというもので、夕方から本番までの間に私がその原稿を書き、その生原稿を見ながら仁鶴独特のテンポのある喋りを展開するというわけですが、殆んどぶっつけ本番に近い状態での喋りが逆に彼の本領を発揮させたものでした。

ときには原稿を一枚飛ばしてしまって、大慌てに辻褄の合わないギャグでその場をしのいでる最中に、前で聞いていたコメディー№1の前田五郎が「ここに落ちてまっせ」と床に落ちていた原稿を差し出してくれたのはいいんですが、それでかえって話の前後が判らなくなって支離滅裂の大爆笑になったなんてこともありました。これも生放送ならではのことです。