技術の進化とは、実際に体験して、
その仕組みがわからないことには理解しにくいものです。
はじめて電話サービスが国内に配備されたとき、
「遠く離れていても話せる」「声は街中に張り巡らされた線を伝って届く」
この2つの情報から、郵便物を電線へくくりつけようとしたという話があります。
声が届くのだから荷物も届くだろうと考えたのかもしれません。

10日ほど前に気になるニュースがありました。
PlayStation 5 の大型アップデートです。
今回の注目はリモートプレイについてでした。
リモートプレイとは、
外出先などのゲーム機本体がない場所でゲームができる機能です。
Wi-Fiがつながる環境ならば、
スマホやPCなどの端末から自宅の本体へアクセスすることで操作できます。

年内にはスマホ画面とコントローラーを合体させたような
リモートプレイ専用端末が発売されるようですが、
それほどリモートに対するニーズは高いのでしょう、
今回のアップデートで、
Android TV がリモートプレイアプリの対象になったのです。
これまでお盆やお正月の帰省の折には、
甥がゲームをやりたがるため、わざわざ本体を持って帰っていました。
リモートが可能ならば、コントローラーだけで遊べることになります。

しかしながら、リモートプレイには懐疑的な部分もありました。
ゲームとは、モニターを通じて感知した視覚情報に脳が反応して
コントローラーを操作する作業の連続です。
コントローラーで入力してから遠く離れた場所にある本体まで指令が飛び、
そこからのレスポンスを待っているようでは、
遅延して快適に遊べないのではないかと思っていたのです。
事実、PlayStationのリモート機能が発表されてすぐの頃に試したことがありましたが、
フリーズの連続と画質の粗さで使い物にはならなかった記憶があります。
そのあたりは改善されたのかと疑いながら試してみることにしたのです。
いざ体験してみると、
ほとんどリビングで遊んでいるのと変わらないくらいの操作感で
リモートプレイをすることができました。
「“こないだ”は、全然だったのになぁ」


冷静に振り返ると“こないだ”が10年以上前だったことが驚いたポイントです。