昨日B.C.Richの方は終わらせたので、早くも今月は2本目。
先月末の記事で6月は自重すると書いていましたが、このギターの仕入れも5月なのでぎりセーフです。
今回はグレコのストラトタイプになります。
ヘッドロゴの書体から、恐らく90年代あたりのものかなと推測していますが、これもネットにあまり情報がなく正確な情報はわかりません。
いつものようにきったないので、とりあえず外で埃を飛ばした後、除菌シートで全体を拭き上げてから室内に持ち込みました。
なんかふと我に返ったのですが、他人が汚したギターをお金を払ってきれいに掃除しているのって狂気の沙汰だなと(笑)
とりあえず今日のところはもう時間も遅いので、一番汚れているトレモロユニットを外して水洗いして、手垢まみれの指板の拭き掃除だけ。
あ、このギター、弦を捨てる前に一応音出しはしていますが、とりあえず鳴ってました。
掃除前の指板のアップ。少し擦り減っているのと手垢汚れがそれなりに。
今はこういうところを気にするようになったので弾いた後軽く指板を拭くようになったけど、
若いころはそのまま放置していたのでこうなっていた気がするなあ。
そもそも年を取ったので、手汗もあまりかかないので今はこれほど汚れたりもしないんだけど。
- 頑固な脂汚れを落とすためにダイソーのアルカリ電解水と雑巾で拭き取る。(すごく汚れたネックの場合に限る)
- 次に濡れ雑巾をかたく絞って何度も拭き取り。(中性洗剤を併用する場合もあり)
- 毛先が極細毛の歯ブラシ(やわらかめ)でフレットの隅や導管に詰まった汚れのかき出し。
- レモンオイルをしみ込ませたクロスで再び掃き取り。こちらは保湿というよりも汚れの拭き取り目的です。
- 最後にオレンジオイルを薄く塗って仕上げ。
指板の痛み次第では次の日ぐらいに蜜蝋ワックス塗る時もあります。
そういえば、馬鹿の一つ覚えみたいに「指板が乾燥しまくっているので、ホシツシマス」とか言って、指版に必要以上のオイルを直接垂らしてしみこませているような動画をみかけたことありますが、そういうの見る度、「あ~あ、やってんな~」って思います。
もちろん乾燥しまくったら指板材が割れることもあるでしょうし手触りもよくないので、指板表面の保護と材の適度な保湿のために指板オイルは良いとは思いますが、乾燥しきった指板に急激に必要以上のオイルを浸透させたらかえって悪影響だと思います。
乾燥した木材が急なオイルの浸透で膨張して変形、割れ、あとは木材は水分を含むと柔らかくなるので指板表面の耐久性が下がったり、フレット溝が破損するなんてこともあるんじゃないかと。
実際にそうなったことはないので、そこは素人なので言い切れないところもあるのですが、木材ってそういうものです。
なのでしっかりと浸透させたいならごく少量で時間をかけて何度か繰り返すのが吉かなと。
さて次はトレモロユニット。
今回いちばん達成感わきそうなパーツ。
外せるものは全部外してバラバラしてぬるま湯、中性洗剤と歯ブラシで1つずつゴシゴシやります。
みるみる輝きを取り戻していきます。
錆がなかったのでまるで新品のようだ。
ウソ。実はサドルのイモネジの先端が何本か黒くなっていますので後日イモネジだけはずして磨きなおします。
ついでにバラしてみました。
変わったキャビティ。軽量化?
この時点でキャビティ内の表面のザラザラ感だとか材の断面に若干の違和感。
ネックを外すとネックとネックポケットにGPM-1/Rという機種名らしきスタンプ
ギターの機種名であれば最後の/Rはローズ指版という意味で、メイプル指版のGPM-1/Mなんてのも存在したのかも。
シム入ってた。左右均等じゃないのはわざと?
さきほどの違和感はこれだった。
このギターはウッドファイバー(MDF)ボディでした。
MDFボディって90年代半ばから後半にあったのは認識しているけど手にするのは今回がはじめて。
Ibanezの古いRXあたりもこれだった気がするけど、今はこれを使っている機種って絶滅したよね。
そもそもギターを工業製品として捉えるなら個体差も少なくて品質管理もしやすいウッドファイバーって画期的だと思うんですよ。整形もフルで機械化できそうだしコスト削減にもつながると思うし。
でも使われなくなったというのは何かしら我々素人には知りえない理由があるのでしょうね。
ま、とりあえず初のMDFギターなのでどんな音なのか楽しみです。
ダメだったらボディはいつでも交換してやります。ネックの作りはなかなかよさそうだし。