ヒカリオロチ「強大な闇の力がこの近くに潜んでいる……」

ヒカリオロチ「それも、今のオレひとりでは太刀打ちできないほど大きな力だ……この闇を払うには仲間が必要だ」

椿姫「私にも手伝わせてください」

ヒカリオロチ「いや……オレはおまえを危険な目にあわせたくない。おまえはここでオレの帰りを待っていてくれないか」

椿姫「そうですか……わかりました!きっとあなたならやり遂げられると、私は信じています!」




『正義の味方   ヒカリオロチ』


ヒカリオロチ「さて、どうやって仲間を集めるか……」

ヒカリオロチ「オレは黄色だから、赤、青、緑、ピンク……あと4人か。とりあえず貼り紙をしてみよう」

貼り紙『急募・正義の味方    採用条件は正義の心を持っていること(体の色が赤か青か緑かピンクのいずれかであれば◎)  今日の午後6時まで』

ヒカリオロチ「貼り紙だけでは心もとないな。スカウトにも行ってみるか」

・・・・・
ヒカリオロチ「ジバニャンに断られてしまったぜッ!」

ヒカリオロチ「色も容姿も知名度も文句なしなのに、肝心の正義の心が欠けているとは……ジバニャンは絶対に欲しい人材だったが、仕方がない」

「募集の貼り紙、見たズラ~」



コマさん「電車が遅れてたズラ。遅延証明もらってきたズラ」

フユニャン「正義の味方という響き……アイツのことを思い出すな……懐かしい。オレにも何かやらせてくれ!」

ノガッパ「電車の中でコマさんに誘われたッス」

ヒカリオロチ(なんということだ!青ばかりではないか!)

ヒカリオロチ(いや……大事なのは正義の心だ。青がかぶっていたところで、それは大した問題じゃない)

ヒカリオロチ「ありがとう!よろしくな!」

ヒカリオロチ「さて、あとは赤と緑とピンク……」

「緑はオレだろ!」

大ガマ「おもしろそうなことやってんじゃん。オレも仲間に入れろよ」

ヒカリオロチ「大ガマ殿はだめです」

大ガマ「なんでだよ。入れろよ」

ヒカリオロチ「あなたの緑は服の色であって体の色ではないでしょう。服を脱いだら緑ではなくなる人は不可です」

大ガマ「わかったよ、脱がなきゃいいんだろ。人前では絶対に服を脱がない。これでいいだろ?」

ヒカリオロチ「絶対に脱がないと言い切れますか!?」

フユニャン「心配するな。いくら何でもそれは大丈夫だろう」

コマさん「そうズラ。心配することないズラ。オラもすっぽんぽんズラ」

大ガマ「コマさんは青というより白じゃないか?」

ヒカリオロチ「まあいい。あとは赤とピンク……やはりジバニャンの獲得に失敗したのは大きかったな。いっそ椿姫を……ダメだ、椿姫を危険な目にあわせたくない」

ヒカリオロチ「このまま赤が見つからなければ、赤いマントのフユニャンに青と赤を兼任してもらおう」

「待たせたな!」


モモタロニャン「ピンク色の正義の味方といえば、私ほどの適任者はいないだろう!」

ヒカリオロチ「たしかにそうだ!」

フユニャン「家来も一緒に来たのか」

ヒカリオロチ「モモタロニャンを仲間にすると、なかなかの大所帯になるな。食わせていけるだろうか……ん?」

ヒカリオロチ「あれは……!」



ヒカリオロチ「緑と赤!」

ヒカリオロチ「素晴らしい!これで全色そろったぞ!」

大ガマ「おいおい、緑はオレだろ?」

ヒカリオロチ「大ガマ殿はクビにします」

大ガマ「なんだと!?」

フユニャン「ここは飲み込んでくれ!」

大ガマ「いーや、飲み込めねえな。ヒカリオロチ、本家軍大将として言わせてもらうがな、おまえにはリーダーとしての素質はないな。トップに立つ者は部下を選んじゃいけねーよ。もっと大きな器ですべてを受け入れるのが、リーダーってもんだ」

ヒカリオロチ「まんじゅうのあんこのことで揉め事起こした挙げ句、部下を戦いに巻き込んだあなたに言われたくないです」

大ガマ「おっと。おまえそれ土蜘蛛にも言えんの?」

ヒカリオロチ「言えますよ」

ノガッパ「そろそろこの集まりの目的を聞かせてほしいッス」

ヒカリオロチ「そうだな……実はこの近くに、強大な闇の力が潜んでいる」

モモタロニャン「その正体はわかっているのか?」

ヒカリオロチ「ああ……オレはその力の持ち主を助けたい」

フユニャン「倒すんじゃないのか?」

ヒカリオロチ「そうだ。オレたちの正義の光で、闇の力を打ち払うんだ!」

ヒカリオロチ「いくぜ!シャイニィィィング!」

「おー!」



・・・・・
百鬼姫「りんご飴はおいしいのう」

影オロチ「………………」

百鬼姫「どうしたのじゃ?今日はいつもより無口じゃのう。話があると言ってきたのはそなたではないか」

影オロチ「あ、ああ……」

百鬼姫「?」

影オロチ「百鬼姫…………もう少し近くに来てくれないか。りんご飴は一旦置いてくれ」

百鬼姫「まだ食べている途中じゃが、仕方ないのう。なんじゃ?」

影オロチ「実は……」

ヒカリオロチ「こんなところにいたのか!」

百鬼姫「あっ!ヒカリオロチ!」

ヒカリオロチ「百鬼姫……おまえの闇の力、どこにいてもすぐにわかる!今日こそ打ち払ってみせる!」

百鬼姫「言ったであろう、私の闇の力はおぬしにどうこうできるものではないと!まだそれがわからぬのか!」

コマさん「あ、百鬼姫に影オロチズラ」

ノガッパ「こんにちはッス」

百鬼姫「おお、久しぶりじゃのう。元気にしておったか」

モモタロニャン「おまえは……鬼KINGの娘!」

百鬼姫「私と父上を知っておるのか?」

コマさん「みんな知り合いズラ。友達ズラ~」

百鬼姫「お茶とお菓子を用意しよう。せっかく来てくれたのじゃ、ゆっくりしていくがよい」

フユニャン「悪いな!」

ノガッパ「お邪魔するッス」

コマさん「お菓子うれしいズラ~」



影オロチ「   」

ヒカリオロチ「くそっ、皆が闇の力に染まってしまった……!」

大ガマ「残ったのはオレたちだけだ……!」

ヒカリオロチ「オレたちだけでも、最後まで戦うぞ!」

大ガマ「ああ!」

影オロチ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」


・・・・・


オロチ「大ガマ殿とヒカリオロチが入院したそうだ。お見舞いに行ってくるが……」

影オロチ「……入院程度ですんだか。運のいい奴らめ…………」