自作小説「あの夏の日の向日葵」 -5ページ目

自作小説「あの夏の日の向日葵」

この物語はフィクションです。
が、自分自身の願望があるような気がします。
あの日、あの時に戻れたら・・・。
そんな思いは誰にでもあると思います。
その思いも胸にしつつ読んでもらえたらなぁと思います
^^

 「おはよう圭介君。」
朝食が終わり少しゆっくりしていると、病室のドアを開けて彩が
入ってくる。
「あ、おはよう彩さん。連休だったんだね、どこか遊びに行って
たの?」
「やぁねぇwそんなんじゃないわ。ちょっと実家に帰ってたの
よ。」
「そうなんだ。」
「ええ、送り忘れた荷物とかあってね、それを整理しに帰ってた
のよ。」
「そっか。てっきりデートか何かかとw」
「そんな相手いないわよw作る時間なんて無いしね。って、何言
わせるの!それよりも、血圧と体温測るわよ。」
「はいはいw」
圭介は笑いながら腕を出す。
そして計り終えると、彩は病室を後にした。
それと入れ違いに、圭子がやってくる。
「あ、母さん。あのさ、お願いがあるんだけど・・・。」
「何?どうかしたの?」
「いや、また外出したいんだけどさ、先生に許可もらってくれな
い?」
「それはいいけど、私が付き添えるのは3日後くらいよ?それで
もいい?」
「うん、別にいいよ。それでさ、今回は直哉君とさやかちゃんに
は内緒にしときたいんだけど、いいかな?」
「それはかまわないけど、何で内緒にするの?」
「何かよく解らないんだけどさ、向日葵ちゃんが、話があるから
内緒にして欲しいんだって。」
「話?ん~、よく解らないけどとりあえず内緒にすればいいの
ね?」
「うん。だから今回の外出は、適当に言っておいて。」
「解ったわ。じゃあ先生に許可もらってくるわね。」
そう言うと、圭子は担当医の元へと出て行った。
圭介にも、向日葵が何の話しがあるのかは全く見当もつかなか
ったが、何かそうしないといけない様な・・・。
そんな何かが今回の雰囲気に感じ取っていたのだ。
しかし、圭介と圭子は気付いていなかった。
会話中にドアが少し開いていてその会話を彩が聞いていた事
を・・・。
彩にとって、その向日葵の話しが何であれ、圭介と二人で話を
させる事はさせたくなかった。
記憶の封印に影響を与える可能性が高いのと、彩自身気付い
てはいなかったが、嫉妬もあったのかもしれないが、何とか阻
止したかったが、それでも何故かそうしようという気が薄れてい
く。
それは彩が、圭介が向日葵の事を好きだった事を知っていたか
らである。
勿論圭介の目的を達成させてはならないというのが、今回の仕
事ではあったのだが、それよりも彩にとっては、人が人を好きに
なるという事が、どんなものなのかを知りたかった。
今までそんな感情など持った事がなかったからだ。
それに加えて、どこか応援したい気持ちも少しあった。
彩の中では矛盾だらけの感情が渦巻いていた。
今の彩には、何が正しくて、自分がどうすべきなのか・・・。
迷いが生まれつつある。
そんな自分の気持ちに戸惑いながら、運命のデートの日は3日
後に決まった。
圭介・向日葵・彩・さやか・直哉・・・。
各々の運命の動き出す日である・・・・。