お疲れ様です。

年末特有の高揚感を全く感じないまま週末を迎えた私は、
性懲りもなく週刊経済誌3誌(東洋経済・ダイヤモンド・エコノミスト)
の早売りをゲットしまして、読み耽っておりました。

今回は3誌とも新春合併特大号、ってやつで「2009年の予想」を大々的に
特集しておりますが、本を(安く)買うことが好きな私は、
  ・東洋経済とダイヤモンドでの「2008年のベスト経済書」、
  ・エコノミストでの識者による「危機の時代に読む3冊」、
といったブックガイドに目が止まりました。
この中から自分の備忘録的にいくつかメモをしておきます。


まずは・・・・
エコノミスト誌であの佐藤優氏が3冊を推薦しているのですが、いわゆる経済書が入っておらず、
古典的名作を推薦されていたのが印象に残りましたのでご紹介。

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◆週刊エコノミスト 12/30・1/6合併号p.96 「危機の時代に読むこの3冊」


<危機がもたらす思想の転換>

①ローマ書講解  ~危機の根源がわかる

ローマ書講解〈上〉 (平凡社ライブラリー)
カール バルト
平凡社

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ローマ書講解 (下) (平凡社ライブラリー (401))
カール・バルト,小川 圭治,岩波 哲男
平凡社

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戦争と革命の危機の時代にあって、人間主義的な近代神学を批判し、
神と人間の断絶を唱えながら、逆説的に信仰の絶対性を回復させようとした
スイスのプロテスタント神学者カール・バルトの代表作。
20世紀のキリスト神学に革命をもたらすと同時に、
現代思想にも大きな影響を与えた歴史的名著とのこと。

著者は、かつてない大量殺戮と大量破壊をもたらした第一次大戦を
引き起こしてしまったのは、人間が超越的なものに対する畏敬の念を忘れ、
人間の力を過信したためだ,と考えて本書を上梓。

「人間が生きる時は、神の生に与って生きるのであり、
 死ぬのは人間が死ななければいけないから死ぬのだ」
 という記述に本書の見解が表れているとか。

(ただ、背景となる一定の知識がないと通読するのはキツイかも。
 私にはキツそうだ。)


②罪と罰 ~危機に瀕した人間の思想の病み

罪と罰 (上巻) (新潮文庫)
ドストエフスキー,工藤 精一郎
新潮社

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罪と罰 (下巻) (新潮文庫)
ドストエフスキー,工藤 精一郎
新潮社

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頭脳明晰ではあるが貧しい元大学生ラスコーリニコフが、
「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」
「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す
 権利を持つ」という独自の犯罪理論をもとに、
金貸しの強欲狡猾な老婆を殺害し、奪った金で世の中のために善行をしようと
企てる・・・・・・。

佐藤氏は日本の貧困問題が深刻になると、
こんな思想を伴う殺人事件が起きるかも、と危惧しております。


③ムッソリーニ ~危機を政治で乗り越えようとする処方箋「ファシズム」

ムッソリーニ―一イタリア人の物語 (中公叢書)
ロマノ ヴルピッタ
中央公論新社

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佐藤氏は、この本には、資本主義体制内で、国民の能動性を引き出し、
格差・貧困を是正する運動としてのファシズムの姿が描かれていると。


そして次の文を引用して、ドキッとする指摘もしております。

すなわち・・・・


「ムッソリーニには複雑な問題の中核を把握し、それを分かりやすく、
 かつ説得力ある方法で説明する才能があり、
 したがって聴く相手も「自分が今まで無意識に感じていたことを
 明らかにしてもらった」という印象を受けた。」


オバマ次期米大統領にもムッソリーニと同じ資質があると。

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まっ、こんな時代だからこそ、あえて経済書から離れて、
古典に触れるっていうのは賛成ですね。     
ただし、読めるだけの知的体力はありませんが、私の場合は。



でも、やっぱり経済書だろ?という方には、
東洋経済とダイヤモンドの「2008年ベスト経済書」上位10冊を 
カウントダウン方式で掲げておきます。
年末年始の読書の参考になさってください。
詳細は各雑誌でご確認ください。


<東洋経済>
10位 禁断の市場
8位 波乱の時代 特別編
8位 なぜグローバリゼーションで豊かになれないか
7位 市場リスク 暴落は必然か
6位 暴走する資本主義
5位 すべての経済はバブルに通じる
3位 なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか
3位 大暴落1929
2位 現代の金融政策
1位 資本主義は嫌いですか
資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす
竹森 俊平
日本経済新聞出版社

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私もこの本は買いましたが、皆さんがご指摘するように、
第2部の数年前の中央銀行幹部等の参集した会議録の披露部分。
これは非常に興味深い。
彼らはやがてサブプライム危機が起こるであろうことを共通の認識としていた・・とは。


<ダイヤモンド> 

10位  反貧困 「すべり台社会」からの脱出
9位  松下電器の経営計画
8位  現代税制改革史
7位  格差はつくられた
6位   雇用、利子および貨幣の一般理論
5位  経済は感情で動く
4位  ルポ 貧困大国アメリカ
3位  アダム・スミス 「道徳感情論」と国富論の世界
2位  暴走する資本主義
1位  現代の金融政策

しかし・・・・似たような経済誌2誌ですが、
随分とランキングの顔ぶれが違うものですね。

アンケートの対象が、
 東洋経済では市場関係者のウエイトが高いと見られること、
 ダイヤモンドでは大学教授など研究者のウエイトが高いこと、
が影響しているのではないかと思われますけどね。

私は市場関係者のはしくれですので、
どちらかというと東洋経済のランキングに納得感を感じておりますけどね。

・・・・・それはそうとして、
やっぱり気になるよなぁ、
オバマ氏にムッソリーニの資質があるって指摘。



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