お疲れさまです。
9日の日経財務面に面白い記事がありました。


ご覧になった方ばかりだと思いますが、ざっくりと要約。
その後で雑感。

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【マクドナルド 実力見えにくく】

・日本マクドナルドホールディングスでの会計処理が話題になっている。

・というのも、直営店をフランチャイズチェーン(FC)化する時の会計処理
 
 → 直営店舗をFCオーナーに売却した時の売却益を「売上高」に計上


・通常は、営業外収益か特別利益に計上すべきだが、当社では
 定款の事業目的にFCオーナーの店舗売却が入っているため、
 創業以来、この処理をやっていると。


・しかし当社はこの2年間で直営店中心の事業展開を、FC店中心に大転換。
  (FC店比率:07年12月3割 →09年12月7割へ) 
 となると、店舗売却益も金額の重要性が増し、決算への影響も高まる。
 事実、1-9月期の営業利益は、店舗売却なかりせば減益だった可能性あり。
 投資家をミスリードしているおそれもあると。

・当社の開示の透明性が問われていると。

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開示情報はこちらからどうぞ。

中間決算短信


第3四半期短信


以下は、恒例のどうでもいいコメント。



■確かに投資家をミスリードしかねない、ユニークな会計処理だと思います。
しかし邪推の王様でもある私は、この会計処理は「結構味わい深い」と思いました。

だってそうでしょう?
これを営業外収益や特別利益にしてしまうと、店舗の売却価格と帳簿価格との差のネットの利益が露骨に顕れることになる。

となると、独立したてでやるき満々のFCオーナーが、
この生々しい利益を目にしてしまう。

すると、「オレたちをダシにしやがってこんなに儲けやがって・・・・・」と
一気にやる気を失ってしまうおそれがある。

場合によっては、FC契約に思わぬ支障をきたすかもしれない。


なんたって2年間で3,700店×40%相当=1,500店分だけ
FCオーナーを確保しないといけないですからね。


その点、売上高の中で店舗売却金額だけの開示に留めれば、
店舗売却益を人知れず営業利益に加算することもできるし、
いざという時の決算の調整弁ともなりうる。
企業経営上、一種のフリーハンドを得ていたのかも。

でも、バレちゃいましたからね。
どういう対応をするのか注目ですね。


■しかし何と言っても、
 何故、FC化を一気呵成にするのか(しなくてはならないのか)?
 こちらの方に私は関心がありますけどね。

 原田社長は「売上が落ちるとすぐ赤字になる体質を変えたい」(日経)と
 なんともまぁ馬鹿正直なコメントをしております。
 しかし待って下さい。

 直営店でさえそんな脆弱な収益体質なのに、
 FCオーナーの立場からしますと、本部の店舗売却利益が上乗せされた
 割高な店舗・設備を使ってのFC経営は、
 単に損益分岐点を引き上げているだけではないでしょうか?

 つまるところ、私にはFC店オーナーとしてのインセンティブが
 よく見えないのです(私だけなのでしょうが。どなたかオセーテ)。

 
 一方、会社側にはFC化のインセンティブはありありですよね。
 マスコミを賑わしていた「名ばかり店長」・残業問題などから
 解放されますからね。
 
 参考:5月20日リリース
    新報酬制度の導入、及び労務管理体制の整備に関するお知らせ

 
 さぁて、大量FC化という壮大な社会実験、
 あと1年で目論見通りいくのか、これも要注目ですね。

■なお、どうでもいいことですが、
 店舗売却が事業目的の一環であるとするならば、
 連結キャッシュフロー計算書上、
 店舗売却は投資活動キャッシュフローではなくて、
 営業活動キャッシュフローに入れたほうが整合的かも知れませんね。



・・・・以上、素人の戯言としてお聞き流し下さい。
(当方の事実誤認、何となくありそうなので、予めお詫びしときますね。)