なんか、救いのない展開になってきました。このドラマ。
ツッこむ意欲もなくなりましたので、軽くダイジェスト。その後雑感。

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第5回「夢の代償」

2004年、小野寺(豊原功補)が立ち上げた「エスペランサ監査法人」は
厳格監査をモットーに急成長していた。

最年少代表社員となった健司(塚本高史)も、外資とコンサル契約して、
傘下ののぞみ自動車愛知工場に乗り込み財務デューデリを実施。
あっさり工場閉鎖に持ち込み、辣腕をふるい始める。


しかし一方健司は、さしたる会計士の補充をせず現場軽視の一方で、
優良な企業だけを厚遇する小野寺のやり方に疑問を感じ始める。
事実、尾張部品のようにどの監査法人にも相手にされない監査難民も
出始めていた。
(尾張部品会長役の大滝秀治さん、圧倒的な存在感でした。)


一方、小野寺は財政監督庁・宮島検査局長(利重剛)から
3倍の規模のある「あすなろ監査法人」(理事長・津川雅彦)との合併を
勧められ、焦りを感じていた。
飲み込まれたら理想である「厳格監査」が潰えてしまうからだ。



そんな中、健司は静岡から上京した茜(松下奈緒)と共に、
井上(阿部サダヲ)のベンチャー企業・プレシャスドーナツ上場のための
監査を請け負う。
予備調査の中で加盟者から受け取った加盟金を不当に売り上げに計上している
事実、井上のスポンサーには胡散臭い人物がいることを知り
上場の見直しを迫った健司ではあったが、
井上から「ここで上場しないと自分の命も危なくなる」と懇願されてしまう。


著名なベンチャー企業とつながりを深めて規模を大きくして合併を先送したい
小野寺は健司に監査報告書に判を押すように促す。
・・・・・・で、小野寺も健司もめでたく粉飾に加担してしまう。



エーッ、押すかよ?この部分は、一視聴者として全く理解できない。



で、プレシャスドーナツは晴れて上場。



同時に、晴れて粉飾会計士の仲間入りした健司は、
粉飾の先輩である篠原元ジャパン監査法人理事長のいる東京拘置所へ。
今度自分が入るかもしれない塀の中の居心地を確かめに行った。

・・・・ではなく、篠原にこれまでの礼を述べるとともに、
会計士の理想とは何かを改めて問いかけた。



そして衝撃のラスト。
井上は何者かに襲撃されて重傷を負う。
これではエスペランサどころではなく、サスペンスである。


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(追加)


○もう先は見えてきました。

 最終回予告より、
 井上の殴打事件がきっかけでプレシャスドーナツの粉飾が発覚、
 小野寺は財政監督庁から処分、健司も会計士のプライドを失い
 エスペランサを退職。子供も妻に渡しすべてを失う。
 健司は、監査難民となった尾張部品と監査契約して
 イチから出直す・・・・・。


 とまぁ、何か救いのないままドラマが終わってしまいそうなので
 良い意味での「サプライズ」を期待します。




○救いのない第5話で一番印象に残ったのはラスト近くの篠原元理事長の言葉。

「(自分の行った会計監査をクロとした)時代と闘っている」。


 といいますのも、実は9日、法廷で検察と闘って有名な細野祐二会計士が
 セミナー&サイン会で次のことを仰っておりました。


「粉飾の定義を考えたことがありますが、
 それは定義しなくていいということが分かりました。

 粉飾かどうかというのは社会が判断するんです。

 たとえば、日産の字回復の決算処理は「逆粉飾」ですが
 それは社会が許しているんです。」

 とドラマの篠原氏とほぼ同じことを言っていたからです。
 単なるドラマの1セリフを超えて、非常に重みのある言葉でした。