本日は、とある住宅販売会社の決算説明会に行きました。
「おみくじに同じ語感がある会社」と言えばおわかりかと。
喩えは良くありませんが。
で、会社側の説明の後、質疑応答。
著名セルサイドの質問が続き、もう質問が出尽くしたのかなーって
思われたその時、
この質問が、ある外人投資家から流暢な日本語で発せられたのです。
「コンキノ エイギョウキャッシュフローハ、アカデスカ?クロデスカ?」
通訳しますと(既に日本語ですが)、
「今期の営業キャッシュフローは赤字になりそうですか?黒字になりそうですか?」
あわせて、今期末の総資産、有利子負債残高の水準も確認されていました。
非常に良い質問です。
といいますのも、この会社は、
2期連続で営業キャッシュフローは大幅な赤字。
在庫をたくさん仕込んだことから運転資金が大きく悪化。
確かにリスクテイクが奏功して、2期連続で高水準の利益を
獲得しました。
ところが、ご案内の通り、サブプライム禍もあって住宅市況は
昨年後半から急激に悪化。
重い在庫を抱えたまま決算を迎えてしまったワケです。
短信P.1の「連結キャッシュフローの状況」をご確認ください。
http://www.daikyo.co.jp/ir/finance/pdf/200803/tanshin2008.pdf
そんな中で、今期はどうするつもりなの?と質したワケ。
過剰在庫を減らして、キャッシュフローを最低でもプラスに近づけるんですよね?と
いう言外のプレッシャーも感じました。
総資産および有利子負債残高を確認することで
定量面での裏付けを取ろうとしていたのでしょう。
一般論ですが、決算説明会での質問ってのは、
あたかもアナリスト自身の業績予想のスプレッドシートを埋めるために
するものも多く、P/L面に偏りがち。
そうじゃないでしょう?といわんばかりに、
キャッシュフローや財務面からのアプローチで質問するこの外人さん。
企業分析の基本の大切さを再確認しました。
ちなみに、これに対する会社側の回答がすごい。
「えーっ、今期は例年と異なって、上期よりも下期のほうに売上が偏ります。」 って、
答えになってなーい!
もう勘弁してください。