いつもご覧下さり誠に有難うございます。
久々にほぼ連日、しかも深夜の更新ということで体はキツイですが、
ネタ的には新聞等の先手を打てて自己満足している次第です。
14日の日経1面はまさに不動産鑑定評価の厳格化につながる話でしたらからね。
さて、本日はコムスン問題で受け皿候補のニチイ学館。
せっかくですから、決算短信をざっくりと見てみました。
http://nichii-ir.irbridge.com/ja/BriefAnnouncement/BriefAnnouncementPar/0/TwoDownPar/01/document_1/19-3.pdf
連結総資産920億円ですが、純資産484億円と結構分厚い。ワタミの倍あります。
買収通貨用なのでしょうか、自己株式も59億円ありますので
財務的な余裕度はそれなりに感じます。
なるほど、体力的にも一括引受けに堪えられるかも知れない。
・・・・・・と思って短信を見ていきまして、私はあるページを凝視してしまいました。
「これはちょとどうなんだろう・・・・・」。
それは、事業別セグメント情報(p.41)です。是非ご覧下さい。
具体的に申しますと、セグメントの内部消去額が結構大きいんです。
つまり、各事業の営業利益を単純合計すると112億円なのですが、
内部取引等の消去が86億円もあって、全社合計でたったの26億円しかない、
という状況です。
私もいろいろ決算書を見ておりますが、ここまでの豪快なヤツは初めてです。
で、 何が言いたいのかといいますと、こんなに内部消去が大きいと、
各事業で計上している利益に何の意味があるのでしょうか?ということです。
たとえばヘルスケア事業。
この2期、このセグメントの営業利益は20億円、18億円とそれなりに堅調に推移して
いるんですけど、たとえばですが、別の配賦方法等を使えば、実は赤字、って可能性は
ありませんでしょうかねぇ?
もちろん、当社は固定資産の減損会計を事業所毎に計算しているので(短信p.30)
それなりにしっかりしていると思います。
しかし、(あくまで可能性の問題ですが)そもそもの事業所の利益計算を高めにやっていて
減損の兆候を見逃してはいないか?というツッコミもあっておかしくない。
とにもかくにも、そういうツッコミが入らないよう、
事業セグメントの利益配分はもっと厳正にやるべきではないかと思った決算書です。
やはり、介護では実際には儲けられないし、儲けてはいけないんでしょうね・・・・・・・。