いつもご覧下さり誠に有難うございます。
たまにしか更新できませんがそれでも日に500~700名様にご覧頂いてようでして
誠に厚く御礼申し上げます。



まずはお知らせを少々。
私が昔お世話になった方が、現在は京都で「バイカル」という洋菓子店を
経営されておりまして、ちょうど今上京されて銀座三越でケーキ等を販売されております。
既に食した知人の評価も上々でして、私も是非買いに行こうと思っております。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。
期間限定ですのでお早めにどうぞ。 よろしくお願いしま~す。 
      バイカルHP⇒   http://www.baikal.jp
(あの・・・・・・・・マイカルではありませんので)


さて本題。

私の貴重な研究対象であるソフトバンクが決算を発表しました。
まずは日経記事。その後コメント。

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ソフトバンク営業最高益・前期、携帯事業買収が寄与

 ソフトバンクの業績が急拡大している。
8日発表した2007年3月期の連結営業利益は前の期の4.4倍の2710億円となり、
2期連続で過去最高になった。約2兆円を投じて昨年買収した携帯電話事業が
収益拡大をけん引しており、大型買収はまずまずの滑り出しだが、
買収に伴って負債が膨らんだ財務の改善はこれからだ。  

ソフトバンクは英ボーダフォン日本法人を買収し、前期は昨年5月から11カ月分を
連結決算に組み入れた。携帯電話事業の売上高は1兆5600億円、
営業利益は1376億円。ボーダフォン時代の前の期に比べそれぞれ
6%、76%伸び、営業利益全体の約半分を携帯事業で稼いだ。

上場子会社のヤフーの営業利益が初めて1000億を超えたことも利益を押し上げた。
売上高は2.3倍の2兆5442億円。純利益は有価証券売却益の減少や税負担の増加などで
288億円と半減した。

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(コメント)

決算短信はこちらからどうぞ。 http://www.softbank.co.jp/irlibrary/results/pdf/softbank_results_2007q4_001.pdf

 まっ、あれだけの会社を連結したのだから業績は急拡大して当たり前。

で、財務アナリストの端くれである私は、財務内容に注目しました。


純資産は7,162億円。前年比+3,690億円と倍増しておりますが、
その主要因は少数株主持分でして、実に+3,288億円増加。

連結当期純利益が288億円しかないので、株主資本の嵩上げはごく僅かだったワケです。

昨年基準のいわゆる連結株主資本(差額評価金を含む)を見るとざっくり2,800億円。

一方、「今年の決算の特徴」と私が注目した1つが、短信p.44の「税効果会計」。
中でも繰延税金資産です。

2,888億円も計上しております。前年が676億円。

収益力が向上して、将来節約できると見積もった税金が2,888億円まで増えたってワケです。

 でもお気づきのようにほぼ、株主資本と同額、というのがいやらしいですね。


税率40%、5年間で回収とラフに想定しますと、
年間1,444億円もの課税所得を稼ぎ続ける、と表明しているようなものです。

で、その目論見が崩れれば、この繰延税金資産は、
日本航空や三菱UFJニコスやオリコのように一気に取り崩されることになります。


そして忘れてはならない「のれん」1兆329億円
20年償却で年500億円超の償却費としておりますが、
気を付けなくてはいけないことは、のれんの発生原因となった旧ボーダフォンが
目論見通りの収益を上げられなければ、のれんも減損処理を強いられる可能性がある
ということです。

とにかく一定水準の利益を出し続けないと、財務基盤が吹き飛んでしまう・・・・・・・・

こんなことは以前から分かっていた話でありますが、
かようにソフトバンクの資本の質は問題含みであると思っております。

監査法人が中央青山からトーマツに変わってここら辺の処理がどうなっていくか、
注目していきましょう。