ダンスか?映像か?と問われれば、私は映像の世界の人間です。
映画好きが高じて映像作りの現場に飛び込み、長いこと、ディレクターという仕事をさせてもらっています。

ダンスに興味を持ったのも映画からで、何か一つ作品を、といわれればまず最初に頭に浮かぶのは、『オール・ザット・ジャズ』(All That Jazz/1979年アメリカ映画/カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞・アカデミー賞4部門受賞)です。この作品は、カテゴリーでいえば「ミュージカル映画」という枠に分類される事が多いのですが、『サウンド・オブ・ミュージック』や『ウェスト・サイド物語』といったミュージカル映画とは明らかに違います。ですから私は世の中の、いわゆる『ミュージカル好き』、『ミュージカル映画好き』な人たちとはちょっと嗜好が違うのかもしれません。

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『オール・ザット・ジャズ』以外の映画の好きなダンス・シーンを思い出してみると、同じボブ・フォッシー監督の『スイート・チャリティー』(Sweet Charity/1968年アメリカ映画)の猫ダンス(正式なナンバー名を今、思い出せない)のようなミュージカルのダンス場面もあるのですが、その他は今まで人に話してまず理解してもらえた事はありません。

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たとえば、ケン・ラッセル監督『肉体の悪魔』(Devils/1971)の女優ヴァネッサ・レッドグレーヴの体の動きとか、同じ監督の『恋する女たち』(Women in Love/1969年)の女優グレンダ・ジャクソンが池の畔で踊るダンス....みたいな事です。まず、このあたりの作品を見ている人が少ないし、たとえ見ていたとしても「そんな場面あったっけ?」と言われることが多いです。ダンス好き・映画好きという事で興味を持って好意的に私に話しかけてくる人でも、このあたりで次第に遠くを見る目になり、そのうちどっかへ消えていってしまいます。

(※映画『肉体の悪魔』も『恋する女たち』も日本ではDVDたぶん未発売。アメリカでは『恋する女たち』はDVDがあり、『肉体の悪魔』はノーカット版特典映像付きのDVDがあるが、どうやら海賊版のようで画質が悪いのが惜しまれる)

劇場用映画以外では、ベルギーを拠点に活動するコンテンポラリーダンスグループ「ローザス」(Rosas)の映像に惹かれます。

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なぜそういうダンス、あるいはダンスとも言えないような体の動きに惹かれるのか、私自身まったく理由がわかりません。
日々の暮らしの中で起きた事象や自分の感じた事を言葉に置き換える事を決してキライではないのですが、それらの映画の強く印象に残ったシーンが、なぜそれほどまでに私の脳裏に焼き付いて離れないのかをうまく説明できないのです。

それらのダンスや体の動きの共通項を探して無理矢理言葉に換えると、「何かヘンなの!」「でもキレイ!」「何だかわからないけどゾクゾクする!」くらいの言葉しか出てきません。いい大人なのに、まるで3歳児並みのボキャブラリーです。
しかし、言葉で説明できないからこそダンスであり、映像にする意味もあるんじゃないか?と思います。

「どんなジャンルのダンスが好き?」と聞かれてもうまく答えられません。どうやら特定のジャンルが好きというわけではなさそうだからです。先日、東京バレエ団公演で上野水香さんが踊る『ボレロ』を見てきましたが、「何かヘン」「でもキレイ!」で、「ゾクゾク」させられました。これはワタシ的に”良いダンス”であったと思われます。(あ、ダンスじゃなく、バレエと呼ばなくちゃいけないのかな?ちょっとめんどう。どっちでもいいじゃんっ!と言いたくなります)

悲しい時、気づかないうちに背中が丸くなってるとか、うれしい時に思わず、「やった~!」と両腕を上げるとか、そういう事がダンスの原点であるなら、私はダンスに興味があるといっていいでしょう。

ま、良くわからないからおもしろい!というきわめていいかげんな、しかし自分の中ではかなりプリミティブな核心に近い部分で、「なんかヘン」だけど、「でもキレイ!」で「ゾクゾクする」ダンス映像を手探りで追い求めています。

2007年にウメダヒサコジャズダンスミックスファクトリー(UHJ-DMF)のダンスに出くわした時、私の「何かヘン」「でもキレイ」「ゾクゾク」感知器の針は振り切れ、それ以降、お願いしてレッスン風景や公演を撮影させてもらい、現在に至っています。

出会いの顛末はこちら。

映像はこちら。

公演情報はこちら。






はじめまして。ブログを始めます。

これから思いつくままにダンスと映像の事を書いていこうと思っています。

と書いた先から誠に申し訳ないのだけれど、いきなり話題からそれてしまいます。
でも、それは仕方がない。今日の午後、渋谷でジェーンに出くわしたのだ。

渋谷アップルストアで用事を済ませて出てくると、向かいのパルコ前に報道陣と人だかり。

Dance & Filmのブログ-ジェーン・バーキン Jane Birkin

近づいてみると、その中心にジェーンがいた。

Dance & Filmのブログ-ジェーン・バーキン Jane Birkin

彼女は小さな募金箱を持ってたたずんでいた。日本の地震被災者のために街頭に立って義援金を募ってくれているのだ。グッときた。人並みをかきわけ、右手にデジカメ、左手に千円札1枚を握りしめてジェーンに向かう列に突進した。夢中でデジカメのシャッターを押していたらアッという間にジェーンが目の前にいた。


Dance & Filmのブログ-ジェーン・バーキン Jane Birkin Dance & Filmのブログ-ジェーン・バーキン Jane Birkin

募金箱の小さな口に千円札を入れようとしたらあせってしまい、うまく入らない。あわわわわわわ!、と私がパニックになりかけるのを察してジェーンは千円札を箱の中にうまく押し込んでくれた。それから私の目を見て小さな声で「メルシ!」と言った。とっさに、あ、フランス語だよ、何かうまい言葉を返さないと!えーと、知ってるフランス語...とまたあせる私を後ろの人がどんどん押してくる。思いついた言葉は「ジュテーム」だけだった。私はあえて空気は読まない主義だが、さすがにあの場で、あのジェーン・バーキンに向かって「ジュテーム」とは言えなかった。日本の地震の義援金集めをしてくれているあなたに、「こちらこそ!」という気持ちを込めて「メルシ!」と小声で返して握手した。

ジェーンはあの時代の、数少ない世界的なアイコン(偶像)の一人だ。

ジェーン、あなたは私を知らないけれど、私はあなたの事を昔からよく知っている。あれからずいぶん時間が経ったけど、あなたも私も今まで生き抜いてきた。今日、不慮の災害に襲われた人たちのために手を差しのべるあなたを目の当たりにする事ができて私はとても幸せでした。

私は映像ディレクターで、映像の編集作業に入ると、ひきこもり生活になってしまう。
「やっぱり時々は部屋から外に出てみるべきだな、ドアの外にはどんなおもしろい事が待ち受けているかわからないもの」と、ジェーン遭遇の余韻を引きづりながらボーッと公園通りをくだっていて、ハッと気がついた。
英語でもよかったのだ、フランス語でなくても。だって、ジェーンは元々イギリス人なのだから。うーん、イメージとゆうものはおそろしいですね。ジュテーム!

さて、次回からはダンスと映像の事を書いていくつもりですが、我が敬愛するダンスグループ、ウメダヒサコジャズダンスミックスファクトリー(略して、UHJ-DMF。しかし略してもまだ長い?)のショートムービーをYouTubeにUpしてますのでよかったら見てください。特に、出来たての"Sigh..."の2本を見てくださるとうれしいです。

私が作った映像

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