【疲労、疲労の大晦日】 | Dancing Across the Amazon

Dancing Across the Amazon

南米大陸の左端から右端まで、
徒歩とカヌーとイカダだけで旅をし、
道中、毎日ダンスするブログです。





お世話になった家は、お父さんが近くの街で肉体労働、独立していない子供が3人、お母さんは珍しくもケチュア語しか話さず、スペイン語をほとんど話さない。




家は、小屋の中にマットレスを敷いて寝るような状態で、鶏200羽ほどが同じ小屋の中で飼われている。











(寝食すべてが、鶏たちと同じ小屋の中だ)








お母さんがスペイン語を話さないのは、家事や、家の中で出来る仕事(農作業や鶏の世話など)しかしてこなかったからかもしれない。


彼女は、僕が食べ終わった皿をスッと取り、何度でもおかわりの分をつごうとする、そんな可笑しくも優しい人だ。スペイン語は話さないのでコミュニケーションはとりづらいが、それでも歯の抜けた口で「オホホホホ」と低く笑う彼女のことが、僕は好きになった。




貧乏な家ほど、他人に優しくしてくれる。




僕が今日出発する際には、お母さんは僕にお駄賃の20ソルを手渡そうとした。




日本と言う、超裕福な国から来た僕が、貧困層とも言える彼らに、ベッドと飯を三食用意してもらった上に、20ソルももらうなど、してはいけない事のように思えて、なんども断った。




「いやいや、持って行きなさい!」お母さんは、僕をほんとうの息子のように扱ってくれ、僕の手を取って、20ソルを僕の手の中に入れた。








(この、低い声で笑うお母さんが僕は好きだ)









「おかあさん、どうもありがとうございます。」


そういって僕はこの家を出たわけだが、僕は彼らのやさしさにいたく感動した。

18歳の息子さんは、二ホンが、別の惑星にあるのだと思っていた。

経済発展には教育が最も重要な訳だが、それ以前に大事なのは、他人を思いやる心なのだ。



 

3時間ほど歩いたところの小さな村の売店でジュースを買い、売店の方と世間話をして休んだ。


家の前で遊んでいた女の子3人が、風船のついた花火で遊んでいた。

そのおもちゃがあまりにショボく、可愛そうに思ったので、僕は持っていた風船で動物を作ってやった。







(女の子3人が、ショボイ風船で遊んでいる)









閉鎖的ではない空間で子供たちに風船を作り始めた、経験値の少ない僕がいけないのだが、
一人、また一人と子供は増え、結局村中の子供が集まってきてしまった。



夕方が来て、夜が来た。



16時くらいから、20時くらいまで、風船づくりをずっとやっていて、僕はものすごく疲れてしまった。


村の子供たちが、売店の前にあつまり、音楽に合わせて踊る。


大人たちも集まってくる。



今日は大晦日。





子どもたちにおもちゃが配られる。

僕はてっきり、夜中の12時までみんなで踊り明かすのだと思っていた。

これまで見てきた「お祭り」はみんな、朝方までやっていた。

それなのに、21時頃になると、みんなそれぞれ家に帰ってしまった。

1月1日になった瞬間を撮影してやろう、みんなと踊るんだ!と思っていたのに、






(子供たちに風船をつくり続けて、疲れてしまった)







結局は、風船をやって、疲れて、みんな帰って、終わってしまった。



オマケに僕の親友、仔犬のドミンゴは、なり続く花火に驚いてどこかへ行ってしまった。




1時間ほど暗い中を探したが、見つからない。


もう、身体がメチャクチャ疲れている。

ドミンゴがいなく、探しても見つからない。

精神的にも、大変疲れた。









(僕の大切なドミンゴが迷子になってしまった)









大晦日の日だというのに、僕は村の中で、デコボコの石の地面の上に、独りテントを張って寝た。

結局今日はダンスを撮影できなかったし、

もう本当に疲れて、いろんなことがどーでもよく感じられた。

1月1日の瞬間とか、そんなのはどーでもいい。




それよりも、ドミンゴに会いたい。


ほんとうに疲れているとき、人間は希望を持つことさえしづらしい。


ドミンゴが見つからなかったら、知らないところで車にはねられてしまったら、、、




それでも僕は旅を続けられるだろうか?  



そんなことをぼんやりと考える。


夜中の11時頃だった、


「アミーゴ!」テントの外で僕を呼ぶ声がした。

近所のおばさんたちが、ドミンゴを見つけて届けてくれたのだ。

泥まみれの足で、大喜びしてテントの中に飛び込んできたドミンゴ。

ホッとすることも、感謝の気持ちを十分に伝えることも十分に出来ないまま、また眠りについた。


次に目を覚ましたのは、

村中に花火の音が鳴り響いたときだった。

15分ほどなる止まない花火の嵐。

どうやら2015年がやってきたらしい。




僕は頭をもたげ、隣に寝ているドミンゴにキスをした。

「ハッピーニューイヤー、ドミンゴ。」











(ドミンゴと再会し、ささやかに新年を祝った)







こんなに長くなるとは思ってもいなかった僕の旅だが、

ダンシングアクロスザアマゾンにも2015年がやってきた。

最近、ほんとうに疲れてしまっている。

原因は何だろうか?


体力的にも、精神的にもあまりやる気が出ない。

前回、チョットした鬱状態から抜け出したのは10月の初めだから、もう3か月も心が休んでいない、とも言える。

長引く鬱は、何も良いことは無い。

だが、チョットした鬱は、心が休まる、贅沢な時間なんだ。

精神的な挑戦に臨む冒険をしたいなら、それでもいい。

だが、僕がいまここにいるのは、撮影の為。

チョットした鬱状態に戻りたいものだ。

この先少し言ったところに、PalmaRealという街がある。

少しそこで羽を休めた方が良いのかもしれない。


あけましておめでとう、今年もよろしく。

日本はいまごろ、紅白歌合戦だね。

20141231