「元気か雄大!高校はどうするかもう考えてる?」

 

 

 

まだ3年生になったばかりでなにも考えていなかっただろう

 

 

 

「俺、閃いたんだよ。まだ決めてないなら△△高校来いよ!」

 

 

 

△△高校は早生まれで一足早く高校生になった健太郎君が入学した学校だった

 

 

 

健太郎君は続けて言った

 

 

 

「一緒にダブルス組もうぜ!」

 

 

 

 

ふたりは出会ってから、ダブルスを組み試合に出たいという同じ思いを持ち続けていた

 

 

 

住む県が違う二人がダブルスを組み、大きな大会へ出ることは叶わないことだったが

 

 

 

同じ高校になればそれが叶うと健太郎君は言った

 

 

 

 

 

 

この連絡は雄大だけでなく私も驚いた

 

 

 

雄大が健太郎君と全日本ジュニアで優勝する夢を見た日は

 

 

 

健太郎君が雄大とのダブルスを思い描いていた日だった

 

 

 

ただの偶然であるが、今思えば2人が強く深い絆で結ばれているのだと思わざるを得ない出来事だった

 

 

 

しかし、ジュニア時代2人がダブルスを組むことはなく

 

 

 

この2人の想いが遂げられたのはジュニアが終わってからのことだった

 

 

 

 

 

 

2人で何度優勝しただろうか

 

 

 

周囲も認める本当に最高のペアだった

 

 

 

 

 

 

 

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