かーちゃんが出勤不能となったその日、
とにかく「コイツは会社に行かせられる状態じゃない」
と判断したとーちゃんは、
「本日体調悪いので休ませます」
と、まるで小学生の保護者のように、かーちゃんの職場に電話を入れて、自分は出勤した。
まぁ本人ではなく夫が電話してきた、ということで、
上司には「???」と疑われたであろうが、
とてもじゃないが、自分で電話を入れられる状態ではなかったのだ。
「体調悪い」というのはズル休みのようだが、あながちズルでもない。
「体に異変が起こっているから、会社に行けない」のだから。
ところが当の本人のかーちゃんは、そんな都合のいい考え方などできない。
なにしろ、自分を責めまくるストイック人間なのだから。
「会社休んじゃった!!ズル休みしちゃった!!私はダメダメ人間だ~~~!!!!私のバカバカバカ!!!」
と自分を責めまくりながら、布団にもぐりこんで、その日はひとまずふて寝をしていた。
実は出社不能になる少し前にも、一度疲労困憊して、熱が出たことにして会社を休んだことがあったが、
そのときは自分で会社に連絡を入れられたし、そんな自分をそこまで責めはしなかった。
ところがこの日は何もかもができなかった。
ただ泣いて「会社に行きたくない。行けない。
そんなわけにはいかないこともわかってるけどどうしていいかわからない。」
とくり返すばかりで、およそ一人前のいい歳した大人とは思えない状態だったのだ。