町をぶらぶらしていると

偶然同僚デイビッドに会った

12月に同じ組織で働きだした彼は 

スワヒリ語やメルー語の中でも

詩的な表現を よく教えてくれる


Meru Youth Arts Programme(MYAP)

今からそれに出るから 一緒に行こうと

何が何やらわけわからんまま 同行することになる

彼はプライヴェートで 詩人活動をやっていた

地方の芸能ステージと言ったところだろうか

地方に埋もれたアーティストの表現の場

ホテルのカンファレンスルームを貸し切り

チケットフィーをとるそれなりのショー企画である

お客さんは40-50人 

メルーにもこんなに中間層の人がいるのかと 驚かされる


コント



ラガ

民族音楽

ルンバ

R&B

ラップ

さまざまなアーティストが自己表現する中


俺の出番

実はなんにも準備していなかった

こんなことになろうとは家を出たとき思わなんだ

普段着かつ草履できていた俺は

ストリート(チョコラ?)スタイルに変身?

裸足になり 頭にはタオルをまいて 

曲は適当にDJにセレクトしてもらい

アフリカンステップとポッピンHIPHOPで即興で踊る


お客さんののりがよく救われた

帰り際 幾人かのお客さんに 君のスタイルのダンス好きだよ と 声をかけてもらった

若手弁護士もその中にいた こんなところでコネクションができるとは思わなんだ

オーガナイザーが地方からのアーティスト発信の企画を熱く語っていた

若いパワー これは 万国共通のものなのかもしれない

そんな彼らと交流して作り上げる定期イベント 

今度はちゃんと準備して オンステージだ 
現金な奴だろうか

ふっかけられたら腹を立て

おまけしてくれたらほくほく顔

チョコラ(ストリートチルドレン)のたかりには逆にたかり返してかわし

まあ へんな日本人がいるなあと 思われているのかもしれない


そう 日本人と認識されるだけありがたい

来たころは中国人扱いされ

「チョンチンチャン」とよくわからない中国語もどきで声をかけられる

今でもそう言ってこられることもあるが

以前と比べたら格段に減った


「ヘイ ジャパニーズ これみろよ お前の国のだろ?」

いつもの通り道で

まったく覚えのないケニア人から声をかけられる

彼がもっていたのは100円玉だった

なんでこんなところに?

― おおおおおおおおお


この驚きを例えようと連想したもの

① 映画 猿の惑星 のエンディングで 

 自由の女神をみてここが地球であることを知り愕然とする主人公 を陽性化させた感情

② 無人島で 生活していて 他にも人がいる形跡を発見したような驚き


― これは 100シル(弱)の価値があるんだよ

「そこの草むらで拾ったんだ どうせ使えないし やるよ」

― アサンテ サ―ナ!!

こんなところでこんな形で 日本の100円玉に遭遇するとは

驚きが先立って代わりのケニアシリングを渡せず 彼は颯爽と立ち去っていった

100シルといえば 食堂でランチも食べられるし 手頃なマンゴーだって半ダースは買える

いろいろいやなこともあるが こんな気前の良いことされると そんなしこりも消えてしまう

彼の名前はわからないが勢いで写真は撮っている

写真をもとに いつか 再会できると いいな 

Dancer Abedas in Meru, Kenya  ダンサー あべだす いん めるー けにあ
きょうだいの ポジション による 性格傾向

First born :しっかりもの

Middle born:変わりもの

Last born:愛されやすく要領がよい

日本とケニアでは似通っているようである


最初に一緒に仕事をしていたハンソニーは長男 しっかりもの

ストライキの中心的存在だった

今も中心となって 不当解雇された人たちをまとめ労働組合を結成し戦おうと 戦略を立てている


二番目に一緒に仕事をしていたクリスティン

末っ子で 皆から愛されやすい性格で要領よく賢い 

アル中の元旦那はドクター兼地方の役所の局長

彼に頼めば いくらでもいい仕事に就けるだろうに

そこは女の意地なのだろうか 娘を母に預け単身赴任で薄給でも頑張っていた

時に偏頭痛で 痛みどめを何度も飲んでいた

おそらくストレスだろう

週末だけ愛娘に会うために遠い実家に戻る


今日 彼女が自ら辞表を出した

賢明な判断だと思う

薄給かつパワハラ 上司のあまりの愚かさ 汚職に愛想が尽きたのだ


しかし いい仕事にはなかなか就けない厳しい就職事情がある

ナイロビ大学(日本で言う東大)卒の子でさえ 

月2000シルの住み込みのメイドでなんとか生活しているケースもある

彼女もよりよい仕事が見つかるとよいのだが


彼女の娘 アンジェラが 母親の辞職を心配してか

学校を休んで ついてきていた

「仕事が見つかるまで 虐待保護センターに 君の子どもは預けるつもりだろ?」

こんなシュールなユーモアにもしっかり笑って反応してくれる

笑顔がいつもより明るい

ナイジェリアンマジックから 彼女も解放されたのだ


さよならクリスティン

相棒の喪失 これで 2度目


人が育たない職場

いい人材は去っていく


残念 はずれだ