8月、ダンス教室はお休みだった。
それは、先生の空想の時間として作られている。
9月から、発表会の練習が始まる。
それに向けて、先生の心は、一人山にこもるのだ。
どんな作品を作ろうか、空想の世界に行くのだ。
そして、半年間、練習をして、ステージに立つという仕組みになっているようだ。
ぴのこ思った。
先生、今頃、頭の中、ぐちゃぐちゃだろうな~・・・・・・ぶつぶつ
ぴのこは聞いた。
先生、新しい作品を作る為に、どんな事をしているんですか?
「 そうね~毎日、デパートに行ってお洒落な物見に行ったり、レコード屋さんにいるわ~」
やっぱりそうか・・・・・
ぴのこは、昔の自分を考えた。
何か、ピンとくる物はないか?
脳みそのアンテナを張りまくって暮らしていた。
それでも、この教室はラクでいいな~・・・・・・・・ぶつぶつ
1ヵ月、先生の時間があって、
信頼できるメンバーが既にそろっていて、
半年間も練習して、作品を出せる訳だからさ。
そこまでしても、先生の心には、あ~もっとこうしたかった~とかあるだろうに。
それに比べて、東京にいた時の、ぴのこは、いきなり発表会があり、
メンバーは揃ってはいないわ、
練習期間は短いわ、
場所も限られていたわ・・・・・・・
で、ダサい作品を発表しなくてはいけない・・・・・・
ダサイ物が嫌いな、ぴのこは疲れたのね~んってさ。
9月、久しぶりに先生と会った。
一体、どんな作品を考えているんだろう。
ただ、言われて踊る立場になった、ぴのこは気分最高なんて思った。
ミュージカル風にしたいってさ。
先生の顔つきが変わっていた。
頭がパー子になっていた。
長年、これを繰り返してきた先生は、パンチ野郎を通り越して、
頭の中、音楽とカウントで、まるで、時計じかけのおもちゃに見えたのさ。