昼休みに、一本の電話を貰う。
「Aさんが入院した。腹水かなり抜いているみたい。緩和ケアに替えたらしい。」
本人に連絡。「行って良いか?」の問いに「いいよ」という答え。
定時に速攻で仕事を終え、バスセンターで夜行バスを予約。一旦帰宅して、バタバタと上京の準備…。
3年前に見つかったガン。
既に転移していて、ステージ4。
しかし彼は、そこから、とことん人生を楽しんだ。
軽快していて、わたしも安堵もしていたのだけども…。
その時聞いたのは、残された時間はあと2週間…。
今回を逃せば、もう生きて会えない…と言う現実が、強く切ない思いとなり自分を突き動かす。
翌朝、彼のいる病院へ直行。
どんなことになっているかと思えば、普段通りの彼…。呆気に取られた。
「(∀`*)ゞイヤァ。昨日腹水5リットル抜いちゃったよぉ」とか言いつつも、飄々としている。
彼と知り合ったのは2006年の秋の事。たった4ヶ月だけ丸の内サラリーマンをしていた時の事。パーティーダンサーだった自分が、競技ダンスに目覚めたキッカケをくれた人。
その後も財団C級昇級記念でラテンパンツくれたり、来阪した時には、ガッツリ飲んで騒いでいたり…。
今までは、彼が来る事ばかりだった。
今回は、初めて、私が行った…。
病室で2時間ほど、ダンスの話ばかり。
「もう立てないんだよ…」という彼に変わり、「こういう動きの事だよね~」と自分が動きながら真面目な技術論やら、未来に向けてのバカ話やら…。
「絶対にファイナル入りしいや!」という彼の言葉。「また焼き肉屋行きましょう!」という私の言葉。
これが二人の最後の言葉。
自分の言葉は、現世では達成出来ないのが分かっていながらも、「また会いたい」と言う強い願望から出た言葉。
彼の言葉も、「達成してほしい」という強い願望から出た言葉だったんだと思う。半ば、遺言か…。
彼は、令和を迎えて、ゴールデンウイークが明けた直後、容態が急変。5月12日に静かに旅立って行った。享年63才。
生き抜いて、とことん生き抜いて旅立って行った。
そんな友人を思い、初七日に当たる19日の試合に「オナーダンスを踊ろう!」と、心に誓う自分でした。
(長いので続く…)