グローパートナー ~?~
往年(?)の未後悔株であるグローパートナー(以下GP社)について新しい情報があったので紹介しよう。
今月に入り、ある一部の株主宛に移転のお知らせと合併のお知らせが届いたようである。
移転については
旧住所:東京都中央区八丁堀3-14-2八重洲シティビル3F
新住所:東京都新宿区2-3-15新宿スクウェアビル2F
となっている。
ちなみに新住所の電話番号は(都合に全部は出さない)
03-3839-93××
合併についての詳細は伏せさせていただくが、来年には○○ジャパンという会社と合併するようである。
また合併に伴いなのかどうかは不明であるが、GP社の株式は50株を1単元とするようだ。
合併後は50株に対し新会社の株式を10株割当てられるようである。
また、50株未満は端株となるので、10株につき2万円で買いとってくれるという。
合併に伴い上場するとまで言っているので、ここまでであれば、ぜひとも頑張って欲しいと応援したいところなのだが、そうはいかないようである。
まず、残念ながら新会社の住所には新宿スクウェアビルなるものがないのである。
また、新会社の電話番号は新宿のものではなく台東区(上野)の番号である。
相変わらず、GP社はどこに存在しているか分からない状態なのである。(ちなみに合併する会社の住所については記載すらない)。
それと、あまり関係ない話になるが、送られてきた書面に「はかぶ」について触れられている。その語句が「破株」となってしまっている。ある意味「端株」より「破株」のほうが正しいのかもしれないが・・・、この間違いはいくらなんでも株主に失礼というものであろう。
それと、そうはいかない理由がもう一つある。
実は別の情報提供者からGP社についてまったく別の情報を頂いている(情報提供者様ありがとうございました。)
その情報によると、GP社は2年前には倒産しているというのだ。
その後別会社に名前を変え、返金手続きしたい旨を通知しているようなのである(なぜ倒産した会社の株を別法人が返金するのかは不明)。
別会社の名前は念のため伏せさせていただくが、当然GP社の名前ではなく住所も前述の新宿や八丁堀の住所ではない。
また、GP社の登記を見ると確かに名前は変わっているのだが、まったく前述の会社とは違う名前でまた違う住所が出ていたようなのである。
ここまでを整理してみると、
最初の情報では、
「会社存続中→別会社と合併→新会社設立→上場目指す」
となっているが、
次の情報では
「GP社倒産→別会社(別法人)が返金手続き」
「GP社継続(?)→名称及び住所変更」
となっている。
どうも株主によって通知の内容がまったく違うようなのである。
当然のことながら、正式な通知であれば、株主によって内容がバラバラということはない。ということは、この通知はGP社からの正式な通知ではないということだ。
一体誰が送っているのかは定かではないが、どの通知でも結局は「増資」やら「手数料」的な言葉があるようである。
ここまで書けば、目的は一つしかないことは明白であろう。
エフオーアイ ~株主ら提訴~
以前書いた「エフオーアイ」について記事が出ていたので紹介しよう。
「エフオーアイ粉飾事件 東証などを損害提訴 株主ら「上場チェック不十分」
東京証券取引所マザーズ上場が廃止となった半導体製造装置メーカー「エフオーアイ」(相模原市 破産手続き中)の粉飾決算事件を巡り、株価下落で損失を被ったとして、同社の株主らが29日、証券会社や東証などを相手取って、総額約2億8千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起した。
訴えたのは個人140人と法人5社。被害はエフオーアイの役員8人のほか、監査証明をした公認会計士や引受主幹事のみずほインベスターズ証券、東証など。法人としてのエフオーアイは破産手続きを理由に被告としなかった。
訴状によると、原告は1人当たり最大で3千万円余りの損失を受けたとして「監査法人、証券会社、取引所の3重チェックは空虚。見抜けない粉飾ではなかった」と主張。(以下省略)」
以上9月30日付け日本経済新聞43面より抜粋。
以前の記事でこのようなことを書いた。
「エフオーアイ社については、虚偽報告をしたということで大問題ではあるが、筆者はむしろこのような会社を上場させた、主幹事証券、取引所、会計士にこそ問題があると思っている。
ちなみに主幹事証券は「みずほインベスターズ証券」、取引所は「東証マザーズ」、会計士は監査法人ではなく会計士2名である(個人名なので名前の記載は避けるが、EDINET等にはきちんと記載されている)。
エフオーアイ社は「会計士をだました」と言っているようだが、よく未後悔株で被害にあった時よく使われる言葉をそのまま今回にあてはめれば「騙されたほうが悪い」。
しかも、主幹事証券、取引所、会計士はプロである。未後悔株で騙された一般投資家とはわけが違う。
当該会社が提出した書類を鵜呑みにして「はい上場!」では審査や監査の意味がまったくない。しかも今回の場合は売上をほぼ偽っていたわけである。きちんと調べればそれぐらい分からないはずがない(現に証券取引委員会は発いている)。「取引先が海外」などというのはただのいい訳である。
証券取引委員会が分かって、主幹事証券等が分からないというのはただの怠慢以外なにものでもない。
今回の件に関し、主幹事証券のみずほインベスターズ証券、取引所の東証マザーズ、会計士の2名にもエフオーアイ社と同様なんらかの罰を受けるべきである。」
東証、会計士、証券会社への損害賠償請求は当然である。というよりも、民事の損害賠償だけでなく行政処分も下すべきだと考えている。
日本振興銀行 ~まとめ~
今日は日本振興銀行(以下振興銀)について今までのまとめを書いていこう。
振興銀を一番最初に当ブログで取り上げたのは、2008年12月5日である。
実際未後悔株がいつから売り出されていたのかは不明であるが、ブログを書いた日から半年以上前には販売されていた。
当時の値段は1口(1株)50万円。販売業者はTCG(12月時点ですでに倒産)。販売形態は、○○組合という方法であった。上場日や市場は不明である。
その後、組合形式から、TCGの倒産により、株券が組合員に配られ、組合員が日本振興銀行の株主となるわけである。
振興銀も未後悔株の出回りには危惧していたらしく(?)、再三自社のHPでTCGや株主には注意喚起をしていた。
しかし、振興銀は未後悔株を売っていた業者を知りながら、特段法的手段にでることもなければ、警察などに相談している事もなかった。ただ、日本振興銀行側は「法的手段に出る」「警察に相談している」と言っていたが、これは一度も実行されていない。
また、振興銀はTCGから買ったと知っていながら、TCGの組合員の名義書換を取り締役会でわざわざ承認してしまっていた。これは振興銀が名義書換を承認しなければ、新たな未後悔株の被害者が増えなかったことになる。(振興銀の株には譲渡制限が付いているため名義書換を承認しなくても良かった。)
さて、その後2009年10月にイーマケティングの未後悔株を売っていたとして、A&Gの役員他が逮捕された。そこからの派生で、というか同じグループということで、TCGの代表取締役も逮捕されている。
この時点で振興銀の株もこのA&Gグループが売っていたということが明らかになり、またこの振興銀の株販売の利益の一部が反社会的組織に渡っていることも明らかになった。
この後のことは、ニュースでも取り上げられていたので皆さんもよく知っていると思う。
2009年6月、二重譲渡問題などの件で、金融庁から検査を受ける。
2010年3月、金融庁の検査が終わる。丸9ヶ月という異例の長さ。債権査定などで報告命令が下る。
同年5月、行政処分。
同年6月、検査忌避容疑で、振興銀や役員、元役員を刑事告発。
同年7月、木村元会長を立件。
同年9月、振興銀破綻。日本初のペイオフ発動。
と簡単に書いてみた。
日本初のペイオフ発動ということで、日本国内だけでなく、海外でもニュースになったようである。
未後悔株としても残念ながら、後悔株となってしまった。
やはり、何度も当ブログで書いてきたが、いくら振興銀が直接株を販売していなかったとしても、名義書換を認めた責任、またTCGに法的手段をせず放っておいた責任は間違いなく存在する。
世間では、ペイオフが適用されない預金者がいくらカットされるかということが問題になっているようだが、その裏で振興銀の怠慢により未後悔株の被害が数億円と出ていること認識してもらいたい。
ちょっと未後悔株とは関係のない記事になるのだが、以前このような記事を書いたことがある(特に3に注目)。
http://ameblo.jp/dancemaster11/entry-10256975285.html
銀行と名が付くからには、きっちりとした会計士がいたはずにも関わらず、この程度の決算を認めたというのが不思議でならない。
「前年度最高益、今年度破綻」普通に考えればあり得ない話である。
手短に書いてしまったが、当ブログでは振興銀の未後悔株からニュースで取り上げられた記事がそこそこ載っている。興味のある方はぜひ一度ご覧になって頂きたい。
最後に、こちらも未後悔株とは関係ないが、ニュースで「振興銀の定期預金を解約しない人がいる」と出ていた。何でも今解約すると、中途解約で満額利息が貰えないかららしい。振興銀側もそう説明していると書いてあった。
筆者から言わせて頂ければ、即解約しないなんてあり得ない話である。ペイオフで預金が守られるとは言え、数ヶ月後にはそんなことはまったく分からない。なぜならまだペイオフを発動したことがないからである。「この銀行はやっぱり対象外」と言われないという保証はまったくなし、数ヶ月あれば法律だって変えられる。
また、大手銀行よりもかなり多くの利息を払って、預金者を集めた訳だ。他の銀行はよく思っているわけがない。大手銀行が反対する可能性だって十分ある。
何よりも、未後悔株を売られている銀行で、嘘を付いていた銀行である。そんな銀行にちょっと利息が多く付くからと言ってまだお金を置いておこうというのが、まったく理解出来ない。
日本振興銀行 ~破綻~
今日はやはりこのニュースを紹介しよう。
「初のペイオフ発動へ=振興銀、破綻申請―債務超過1000億円超
中小企業向け融資などを手掛ける日本振興銀行(東京)が1000億円超の債務超過に陥り、経営破綻(はたん)する見通しであることが10日、明らかになった。これを受け、政府と預金保険機構は同日、預金保険法に基づき、預金の払い戻し保証額を元本1000万円とその利子までとする「ペイオフ」を発動する方針を固めた。振興銀は民事再生法の適用を申請する。
ペイオフ発動は1971年の制度創設後初めて。払い戻し保証額を超える部分は支払いが一部カットされる可能性がある。該当するのは約3500人の100億円程度で、預金者全体の約3%にとどまる見通し。
振興銀は日銀出身で金融庁顧問も務めた木村剛前会長が中心になって2004年に開業した。金融庁は振興銀に対し、09年5月から異例の約10カ月に及ぶ検査を実施。今年5月に銀行法違反(検査忌避)など重大な法令違反があったと認定し、大口融資などを約4カ月間禁じる一部業務停止命令を発動した。さらに、金融庁は6月、検査忌避容疑で同行と役職員を警視庁に刑事告発し、警視庁が本格捜査に乗り出した。
7月には警視庁が木村前会長や西野達也前社長らを逮捕。社外取締役の小畠晴喜氏(作家名・江上剛)が急きょ社長に就いて業務体制を刷新し、資本増強も模索していた。しかし、9月中間決算で多額の貸倒引当金を積むことを迫られ、債務超過に陥る見通しとなった。」
以上時事通信より抜粋。
リンクはこちらhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100910-00000015-jij-bus_all
これで振興銀行の未後悔株は紙切れと化した。正確には、株券不発行に移行しているので紙切れにもならない状況ではある。
また通常では株主には残余財産の分配があるのだが、この債務状況や株主(特にTCGから買っている株主)には1銭も戻ってこない可能性が非常に高い。ちなみにまだTCGから買った株主には破綻の知らせが届いていないようである。
次の更新あたりに日本振興銀行のまとめを書いてみたいと思っている。
未公開株の売買が急減!?
今日は日経新聞の記事を紹介しよう。
「未公開株の売買急減 09年通年の1割どまり 1~7月
日本証券業協会が運営する未公開株取引制度「グリーンシート」で株式の売買額が細っている。取引が活発だった一部の銘柄が抜けたことに加えて、景気の先行き不透明感を背景に個人投資家が売買を手控えるケースが目立っているためだ。今年1~7月の売買代金は約1億5000万円で、通年で15億だった2009年の2割に満たないペースにとどまっている。(以下省略)」
以上9月3日付け日本経済新聞7面より抜粋。
最初この見出しを見た時にグリーンシートではなく未後悔株のことかと思った。
東証1部の売買額ですら細っているので、グリーンシートで売買しようという物好きな投資家はそういないはずである。
実際詳しい数字は当然ながら知らないが、未後悔株市場(そんな市場はないが)はピーク時に比べれば1割以上売買額は減っているであろう。
また、グリーンシートの売買代金は今年の1~7月で1億5000万円とあるが、さすがにいくら細っているとは言え未後悔株の売買代金(被害金額)はそれ以上であると思われる。
同じ日経新聞でこのような記事があった、こちらは見出しのみにさせて頂く。
「東京ガスやJR西 30年債を発行」
同日日本経済新聞1面
上場企業も相次いで社債を発行している。やはり今は上場企業であろうが、未公開企業であろうが、社債が流行っているのだ。
この上場企業が相次いで我先に社債を発行している理由は日本の低金利が原因と言われている。詳しい理由などはこのブログで書く内容ではないので省略させて頂く。
さて、この上場企業の社債発行ブームが起きたのが、今年からだったと思う。翻って、所謂「未後悔株市場」で未後悔株から社債にシフトしてきたのは去年ぐらいからだ。
まさか、未後悔株販売業者はこの社債発行ブームを先読みしていたのか!?そう考えると、未後悔株販売業者はこの株式市場低迷をも予想していたことになる。未後悔株販売業者恐るべし。
最後に、上場会社の社債の利息はだいたい30年もので2%ぐらいである。方や未後悔株から社債にシフトしてきた社債(以下電話勧誘社債)は年利10%以上のものが多い。年利だけ考えれば、5倍以上(償還年数が同じであればもっと倍率は高くなるはずである)で、電話勧誘社債のほうがお得感はある。
しかし、上場企業の倒産確率と電話勧誘社債を売っている企業の倒産確率は年利以上の開きがある。
どちらが、より安全な投資であるかは言うまでもないだろう。もちろん「超ハイリスク、ローリターン」を望む投資家には電話勧誘社債はうってつけであることは間違いない。