タイトル未定
さて、なんてメールを送ればいいんだろう?
いきなり変な印象与えたら怖いしどうしよう?
とりあえず無難な文章で福原君に送ってみた。
”同じクラスの野本です。これからよろしくお願いしますm(_)m”
さぁどんな返事が来るのか楽しみになってまいりました!!
なんて変なことを頭の中で考えている私。
ふと画面を見るとすでに返事が返ってきていた。
少しだけ鼓動が早くなる。
送るときでさえ早くなったのにさらに早くなっている。
カチッ。
”おぉ。野本さんてことはー。よろしくお願いしてください!!笑
なんてねー。これからよろしく。”
顔熱くなっている。きっと赤くなっているだろう。
自己紹介でうまくいえなかったことを馬鹿にされたみたいだ。
でも初めて見た印象と同じだな。
メールもどこか明るくて印象強い。
良い人なのかなぁ。
タイトル未定
「ただいまー。」
家に帰った私はさっさと自分の部屋へ入りパソコンの電源を入れた。
まだ携帯を持っていないわたしはパソコンでメールのやりとりをしている。
メールしたいな。
でもまだ福原君のこと何も知らないし。
とりあえず私はあんにメールを送ってみる。
”福原君にメールしたいけどやっぱり恥ずかしいよぉ。”
少しするとあんからの返事が返ってきていた。
”ばかもの笑 何も知らないからメールしないんじゃなくて相手を知るためにメールすればいいでしょ。”
なるほど!
確かにあんの言うとおりだ。きっと福原君もあんとおんなじ考えだからみんなにアドレス渡したんだ。
なんとなく気持ちが軽くなった私は福原君のアドレスをパソコンに打ち込みはじめていた。
タイトル未定
メールアドレスが書いてあった。
「もしかしてみんなにも書いたのかな。」
なんて思いながら隣の下駄箱をあけてみる。
やっぱり入ってる。
「ホントにクラスみんなに書いてるみたいだね。」
あんが少し笑いながら言う。
「でもこんな積極的にできる人ってうらやましいな。」
引っ込み思案というか恥ずかしがり屋というか、
そんな感じの私には到底できない行動である。
「じゃあ家でメールすればいいじゃん。福原君良い人そうだし。」
えっ、いきなり確信を突いたような口調で私に言う。
「多分あやかは福原君に一目ぼれしちゃったんだよ。」
そんなことない!!!
と心の中では否定してるのに口に出すことが出来ない。
あんは、全て分かっているかのように笑みを浮かべている。
「そうと決まればとっとと帰るわよ。ほらー早く。」
