『世界の目を醒ます
ヘラトリトピックス』
(第26号)
『中国の革命運動の源流は、どこにあるのか』(その2)
(本稿は、2011年6月27日北海道正心館七の日講話の内容のエッセンスをまとめたものです。)
出し抜かれている"ネット警察"
それに関連して、6/21付けのウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)に面白い社説が載っていました。
共産党選出のお偉方だけで構成されるはずの人民代表大会(地方議会)に、「共産党に関係のない人が勝手に立候補して当選しているケースが増えている」というのです。
何年か前までは、そういう場合は、脅迫と抱き込みで"潰す"(つぶす)ことが出来たそうですが、今はそれをやると、「大規模な反動が起きるので出来ない」というのです。
その理由として、ソーシャル・メディア(フェイスブックやツィッターの中国版)の流行を挙げていました。
立候補する人には、大抵、かなり多くのフォロアー(追随者)がネット上でついているため、彼らに危害を加えると、「あっと言う間にネット空間に話が広がって、大変なことになる」というのです。
この種の中国国内のマイクロ・ブログの最大手のものは、昨年3月の加入者数が500万人だったのが、今年の始めには1億4千万人を超えて、今も増え続けているそうです。
もちろん中国政府は、「フェイスブック」や「ツィッター」など、西側諸国のソーシャル・メディアは排除しており、国内のマイクロ・ブログにも、社内検閲を実施させていますが、何しろクリック一つで、あっと言う間に何万人にも拡散できるので、
ネット警察の検閲が回ってくる前に発信して逃走してしまい、しかも、「検閲対象用語」を別の言葉に置き換えて発信しているので、リアルタイムでキャッチすることが難しいなど、「ネット警察が完全に出し抜かれている」のだそうです。
これは、「エジプト、リビアの民主化革命」で起きた現象と全く同じであり、政府が「中国への革命の波及を本気で恐れている」理由が、これでよくわかると思います。事態はここまで進んでいるのです。
さらにWSJの同社説では、最近、日本など外国での中国の不動産買収が問題になっていますが、「これらの中には、富裕層が、将来の移住のために購入しているものが、結構含まれている」と報じていました。
「富裕層のすでに27%は、海外(移住用)のパスポートを取得しており、約半数が、現在、取得検討中」(投資会社のリポートによる)とのことで、
そう言えば、あの温家宝首相も、「アメリカ国内の銀行に莫大な個人資産を隠し持っている」ことを、アメリカ政府にばらされていましたが、要するに、社会の上層部の人間が、そもそも、「自国の政府の行く末に信頼を置いていない」のですね。
少なくとも、日本のセレブの半数が「日本脱出を考えている」ということはありません。
「お金と情報を持っている人間ほど、海外への脱出を考えている」というのは、かなり異常性のある現象だと見て間違いないと思います。
中国の自治区に広がる
マスター大川の思想
二つ目の論点として、
「中国の自治区には、私の思想、本が相当入っている」
と言っておられました。
これは事実です。いちいち名前は挙げませんが、「ほぼ全ての自治区に入っている」と見て、間違いありません。
多い自治区では、数千から万の単位で、書籍が広がっています。その人達が、大川隆法総裁の思想を、日々、勉強しているわけです。
三つ目の論点として、
「経済格差に対する不満が相当たまっている」
とおっしゃっていました。
次期国家主席の習近平氏の出身母体である「太子党」(共産党幹部子弟グループ、現代の貴族階級)への批判は根強いものがあります。
つまり、彼らが「私は経済的に成功した」と言っても、「特権を利用しただけの話だろう」と、庶民は思っているわけですね。
「次期国家主席に内定」したことで、現在では批判が封じ込められていますが、習近平氏の弟と姉は、「近平の特権を利用した不正?蓄財」というスキャンダルの爆弾を抱えていることは有名です。
ここまで来ると、
「なんだ、共産党と言っても、昔の"軍閥"や"封建領主"と変わらないじゃないか」
と思われるかもしれませんが、その直観は、まさに的を得ています。
ハイエクも全く同じこと(共産党=封建領主)を言っていましたし、総裁先生も、『幸福の法』講義の中で、同じ指摘をされています。
しばらく前に観たCNNの特集に、「北京のネズミ族」というのがありましたが、
「地方から一旗上げようと北京に出てきた人達が、アパートの家賃が高くてとても住めず、地下室を改造した6畳ひと間に、夫婦二人と親戚3人の計5人で共同生活をしている」
様子を放映されていました。
その地下には、100人ほどが住んでいるのですが、その100人で、なんと三つのトイレを共同使用しているそうです!
不動産バブルで家賃が高騰して、地上のアパートに住めないのです。しかも、景気の過熱で物価の高騰が追い打ちをかけて、「踏んだり蹴ったりだ」と言っていました。
当局の公式コメントは、「北京には"地下住宅問題"は存在しない」という、気で鼻をくくったもの。
その一方で、太子党の面々は、郊外の高級住宅街から通っていて、これが、「社会主義」(平等の正義)の名の下に、堂々と行われているのです。
「こんな状態がいつまでも持つわけがない」ことは、ちょっと想像力を働かせれば、お分かり頂けると思います。
(「その3」に続く)