大前研一さんの「ニュースの視点」より。



┏━■~大前研一ニュースの視点~
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┗━┛『民主党・愚策のオンパレード
  ~マニフェスト主義に傾倒し過ぎて本来の目的を見失っている』
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 ▼ 民主党は愚策の事例を作っているのか?
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厚生労働省の細川律夫副大臣は3日、最低賃金法改正案の2011年度
 

国会提出を目指す方針を示しました。これは全国平均の最低賃金を

 時給800円に引き上げるためで民主党が掲げた衆院選マニフェストの

 実現を目指す考えです。


 もしこの法案が可決されたとしても現実的に実業界は無視するでしょうが、

 これに違反する企業にペナルティが課されるとなると厄介です。あるいは


 大企業がこの法律を守っていないときに新聞によって吊し上げられる


 可能性も出てくるでしょう。


 このようなことが起こってしまうと、日本企業はどんどん国外に出て


 行ってしまう事態になると思います。それによってこれまでパートの方


 が担っていたような仕事も、国外で行われるようになり、国内の雇用が


 失われる結果を招きます。


 スーパーなどは国外に出て行くのは難しいのではないか?と考えている


 人もいるようですが、全くそのようなことはありません。


 例えば、スーパーに並んでいる「うなぎ」などは国外で焼いてパッケージ


 までしてから日本国内に持ち込むという流れに変えることは十分可能です。


 実際、現在でもスーパーにおける業務プロセスの中身を見てみるとすで


 に国外に移っている、という業務も多くあります。


 こういうことに国・政府が干渉するのは、企業の競争力を弱めることに


 なり、しかもお客さんが求める「良いものを安く提供して欲しい」という


 ニーズにも反します。経済のパイはさらに小さくなり、雇用の悪化を


 招きます。


 まさに最悪の政策ですが、民主党の愚策はさらに続いています。


 前原誠司国土交通相は2日、全国の高速道路のうち広島呉道路仁保


 インターチェンジ―呉IC(16キロ)など37路線50区間について、6月を


 めどに実験的に無料化すると発表しました。交通量の少ない地方路線が


 中心。自動料金収受システム(ETC)の利用や車種にかかわらず、

 すべての車が対象となるとのことです。


 わざわざ交通量の少ない地域を選んだというのですから、何をやろうと


 しているのか私には理解できません。これでは経済効果が全くないで


 しょう。


 北海道では一般道路でも空いていてある程度のスピードが出せるため、


 高速道路の利用率は高くありません。そのような場所で高速道路を無料


 化してみたところで効果が薄いのは明白です。


 もちろん元々そのような場所に高速道路を建設したことも問題ですが、


 それにしても民主党のマニフェスト主義は行き過ぎだと私は思います。


 結局、マニフェストで掲げたことを実現していないという批判を避けた


 いだけでしょう。


 将来、愚策の事例を必要とすることがあるなら、今行われている民主党


 マニフェスト主義に基づく一連の政策は、非常に重宝されることになる


 でしょう。