『若草物語』
ある女性がいました。
母の看護と、家の仕事で、外に出ることができませんでした。
その女性は、小さい頃から、『若草物語』が好きでした。
この女性は、あるとき、知人から勉強と交流をかねたサークルに誘われました。
しばらくして、このサークルを主催している男性から電話がきました。
電話の内容は、次の集まりの連絡でした。
この男性から、翌日も電話が来ました。
また、翌日も電話が来ました。
そのとき、この女性は、ふと、この男性に、『若草物語』の話をしてみたのです。
それは、何か意図があって話をしたのではなくて、何となく話をしたくなったのです。
その男性は『若草物語』など興味もなかったのに、意外にも、関心を示し、「そうなの。へえー。」と勢いのよい返事を何度もしました。
それで、その女性はますます夢中になって『若草物語』について話をしたのです。
その女性が楽しそうに『若草物語』の話をしているとき、その男性は、初めて、こういう幸福な世界もあるんだなあ、と気付いてきたのです。
