「やさしさについて」


 知人の I 氏はある団体の寄付金集めをしていたが、寄付を集める時、寄付を出す人のことをかわいそうだな、と思うようになり、寄付金集めをやめた。


 それだけではなく、寄付金を集めるように指導している上層部にいやけがさして、その団体を辞めてしまった。


 I 氏は「かわいそうだな」という気持がとても強い人なのだ。


 心やさしい人なのだ。


 たとえば、I 氏の場合、ある男性が女性をうまく誘って適当に遊んでそのあと捨てたとすると、その女性のことがかわいそうで、たぶん「居ても立ってもいられない」という気持になるのだろう。


 そして、その当の男性を許せないという気持になるだろう。


 そういう人だと思う。


 「やさしさ」という情がとても強いのだ。


 (あるいは、「かわいそうだ」という情がとても強いのだ。)


 そういうほどにやさしい人というのはこの世に何割かはいる。


 たとえば、看護の仕事や、身体に障害のある人を世話する仕事につく人というのはそういう人が多いのだろう。


 I 氏のことをふと思ったので、書いてみた。