ウォーミング・アップですでにうっすらと汗ばんできた。
会場は100人ほどで超満員。私はほぼ中央に陣取っている。
周りは筋肉がランニングシャツからはみ出して盛り上がっている男たちと、やはり筋肉がきびきびとついていて早く暴れたがっている女たちでひしめいている。
最前列は格闘技の猛者たちだ。
ゴリラのような男たち、
グローブをはめて最初から殺気みなぎる男、
真っ赤なタオルを頭に巻いて気合十分な女、
全身黒ずくめの格闘家、
独特の呼吸法で気を充実させている空手家、
ファイティング・ポーズをとっている女たちが陣取っている。
前にいる指導者を見ると、腕の太さがやせた女性の胴回りほどもある。
カン、カン、カン、カン!
鐘がはげしく鳴った。
すべり出しから強烈なロックだ。
誰もが気合十分。
パンチ、アッパー、ひざ蹴り、回し蹴り。
1曲目から相当のテンションで飛ばす。
ボリューム一杯、耳をつんざくような音量。
3曲目ぐらいから汗が左右に飛び散る。
飛び蹴り、飛びひざ蹴りの連続技が始まると、会場全体が狂気に近いテンションになる。
誰もが大声を出す。
いっせいに掛け声をかけると、ガラスがびりびりと震える。
パワー炸裂とはこのことだ。
エネルギーの爆発だ。
これはもはや古代人のパワーだ。
古代の祭りだ。
ここでは誰もが司祭として主導権を握ろうとする。
それにしてもベラボーだ。
こんなベラボーでばかげたことをする連中がいるのだ。
横浜の夜で一番あぶない連中だ。
終わったあと、このノリで街へ繰り出されたらたまらない。
闘いだしたら止まらないラテン・オヤジ、
上から下まで全身黒ずくめの中国系マフィアの女、
武闘派の男たち、
筋肉美女軍団、
どいつもこいつも危険極まりない。
もはや誰にも止められない。
最後の曲は「アイ ウィッシュ ロッカー」。
スピードと迫力で猛者連中を全員立ち震わせる。
この曲で盛り上がれるだけ盛り上がり、
最高のテンションでフィニッシュする。