インドの宿にて

(インドの宿にて)



「頭の悪いやつが成功する」



私は言うことだけは立派だが、やってることはたいしたことがない、と言われているが、まったくその通りだ。



ついでに言えば、私は50歳まで独身で怪しげなタイ語を使ってバンコクで好き勝手にやってきたとか、右翼かぶれで、見た目がやくざの親分みたいだが、実は気が弱いとも言われている。


あるいは、バブル崩壊でスッテンテンになったとか、さらに、おやじ顔だから女性がいっしょに歩きたがらないとか、その上、いい年してアフリカンダンスやエアロビをやって恥をかいてるとか、そういうことも言われている。


まったくその通りだ。



こうほめられるとうれしくなり、これからますますこの方向を突っ走ろうと張り切ってくる。



………………………



さて、「頭の悪いやつが成功する」というのは、私の愛読書のひとつだ。


筆者は徳田虎雄氏。


世界第2位の病院組織のオーナーであり、衆議院議員もしている人物だ。


この人の言っていることはなかなかいいので、いつも感心している。


それを以下書いてみたい。





徳田氏は、まず、おのれの実力の百倍の目標を立てよ、と言う。


途方もない、気の遠くなるような大目標を打ちたてよ、と言う。


これがやる気がある人間の最初のスタートだ。



この際、自分の実力はどこまでも過大評価し、思いっきり大きな夢を描く。能力や環境など関係ない。



イチロー選手も巨人軍の原辰則監督もまったくの子供のころから「大リーガーになる。長嶋選手のようになる。」と常々夢を描いていた。


だからここまで成功した。



彼らがもしも、「実力がついてきたら名選手になりたい」などと考えていたら、まず無理だ。


自分の環境や現状など度外視して大目標を描けばいい。



さて目標が定まったら、次は、即行動することだ。


年中無休、正月も日曜もなく、とにかく1日16時間行動する。


そうすれば、なんとかメドは立つ。


また、自分の利益のためではなく、正真正銘、人類のために1日16時間働く。


これが成功する者のスタンスだ。



いろんな理屈はそのあとに分かってくる。



私みたいに天命だとか、智恵だとか、理屈こねているやつは、実は何も分かってない。



年中無休で1日16時間働いている人が、極限まで自分を追い込んで、そうしてようやく、天命だとか、智恵だとか、そういうものが分かってくる。





徳田虎雄氏の周囲には、優秀な医者が数百人いる。


彼らは、頭もいいし、家柄もいい。ハンサムだし、腕もいい。


なにもかも徳田虎雄氏よりまさっている。


しかし、ただ一点において、彼らは徳田虎雄氏に勝てない。


それは徳田虎雄氏が恥ずかしげもなく「人類のためだ、」と言ってのける点だ。


みんな恥ずかしくてそんなことは言えない。


しかし徳田虎雄氏は1日16時間働いて、極限状態にいるから、「人類のため」というのがわかってくる。


だからそれを言える。



では徳田虎雄氏の周りの人は、徳田氏が人類のためにやっているということを信じているのかというと、そうではない。


99%は「どうせ、彼は自分の利益のためにやっているのだ。」と思っている。


それに「徳田理事長の命令など、絶対聞かないぞ。」と公言している。


そんなものだと思う。



しかしそれでもくじけずに人類のため闘う。


それがリーダーというものだ。



目標貫徹のため、リーダーは大ボラを吹くべきだ。



冒険家の植村直巳氏は、「おれはエベレストにも登るし、北極横断もする。」と大ボラを吹いた。


吹いたため、やらざるを得なくなり、ついに実現してみせた。



自分の実力や環境など忘れて大ボラを吹く。



吹いたら、あとへは引けない。


だからがんばるしかない。



 気の遠くなるような大目標を描いて大ボラを吹く。


 あとは生きるか死ぬかの猛突進。


 これが猛将・徳田虎雄氏の生きざまだ。