朝から子供を沢山見かけた
今日から小学生は夏休みなのかな?

そんな光景を見て
子供の時の事を少しだけ思い出して見た
俺が子供の時の話だから
20年以上前の話…
あの頃…毎日アホみたいに楽しかった少年期
今の自分の姿なんて想像もしなかった
想像も出来なかった
思えば随分と歳を取ったものだ

そう言えば
夏休みになると
俺はアサガオを育てるのが日課だったっけ

育て始めたキッカケは…
学校で俺の隣の席に座ってた
クラスで1番カワイかったリサちゃん
その子に朝顔の種を貰ったのがキッカケだった

当時…今もかな?
落ち着きがなくアホみたいにチョロチョロ動き回り
爽やかさの欠片もない子供だった

そんな俺を見かねてなのか?
不憫だと思ってなのか?

リサちゃんが
学校の終業式の日に朝顔の種をくれた

「朝顔の花言葉は『明日も爽やかに』なんだよ…」
「夏休みが終わったらもっとシッカリしようね」
って言葉と共に種を手渡して貰った

俺なんだか有頂天になって夏休みに入ると
毎朝毎朝
早起きして水を遣るのが日課だった
だんだん朝顔の蕾が膨らんできて
花が咲いてた日の朝は凄い嬉しかった

だけど
その時は知らなかった
朝顔の花が咲く期間なんてそんなに長くない事を
花は萎れ枯れていく
そんな朝顔を見るのが凄く切なかった

だけど
俺の手元には
あの日リサちゃんがくれた
朝顔から生まれた種が残って

俺は幼心に夏休みが終わったらリサちゃん
この種をあげようと心に決めて机の中に大切に保管しておいた

夏休みも終わり
俺は朝顔の種を持ち急いで学校へ向う

でも
その日リサちゃんの姿を見ることは無かった
次の日も、その次の日も
リサちゃんの姿を見ることは無かった


リサちゃんは子供の時に有りがちな
夏休みが始まると共に親の転勤により遠くの町に引越していった。

でも
俺は次の年もその次の年も
最初に咲いた朝顔から生まれた種を使い
夏になると朝顔を育てて種を取り続けた

いつか
リサちゃんに会ったら見せよう
育て続ければリサちゃんに、いつか会える気がしたから

大人になるに
だんだんその習慣もなくなり
最後に取った種もどこに置いたか解らなくなった…


今朝
子供達の姿と朝顔の鉢植えを見かけて

なんとなく
朝顔の花言葉を調べてみた
20年の時を経てその意味を知った

朝顔の花言葉

「明日もさわやかに」


そして


「はかない恋」

初恋は時と例外を除いて…叶わぬもの