作品や振付のニュアンスを掴むってどういう事なんだろう。。。
バレエの場合は、ポジションが決まってるのでカタチをつくる!
そのカタチに体を当てはめる。
そこから振付のニュアンスを理解し、表現の仕方など自分のカラーが出てくる。
そう答えが明確で、ダンサーもイメージしやすく、そこに向かってあぁでもない、こうでもないと練習できる。
さて、モダンやコンテンポラリーの場合はどうかな?
もちろんカタチは決まっている。
その振付をクリアーに踊らなければ何も見えてこない。
クリアーとは、振付を正確に踊る。
自分のやりやすい踊り方をしない。
私もよく振付家に振付をクリアーにして踊れ!と言われたものよね。
特に早い振付になると、間に合わなくてバサバサになる。
そして、クリアーに踊ると同時に大事になるのが、その振付のニュアンスをどう踊るか。
それって、質感だと私は思っている。
踊りの質感。
ズンと重さだったり、サクッと軽かったり、ヌルっといたしり、
それが足を出す1.2歩の表現の場合でさえ、ニュアンスの違えば見え方は随分変わる。
とある振付家は、ニュアンスを、「毛筆なのか、鉛筆なのか、サインペンなのか」
という表現をしていた。
特に手足の繊細な表現を必要とするとき、とてもイメージしやすくわかりやすい。
私はバレエの創作モノやジャズコンテンポラリーみたいなものは、カタチだけにとらわれていて、私はどうも苦手。
見ていてうんうん。きれいだね!よく踊っているね!で終わってしまう。。
もちろんそれで良いのだと思うのだけど。。
カタチだけ踊る作品は、なんだか表面的にか見えてこない。
雰囲気で踊ってしまうので、お客さんに何も伝わらない。と思ってしまう。
でもカタチだけでなく、ニュアンスを表現している踊りは、作品に深みがあるように思える。
足が上がる、回れるというのは、出来て当たり前と考えた場合、その先にある振付の捉
え方で作品は大きく変わる。
きっと振付家もそのニュアンスは、言い続けなければならない。
ダンサーにイメージしやすいように振付と同じように伝える。
これは結構大変なんだけどね。
そして、ダンサーもカタチの振付だけでなく、そのニュアンス、質感をどう表現するのかをイメージして踊る。
振付家とダンサー、2人の共有イメージが同じで創り上げると、リハーサルはどんどん進む。
そして、振付家のイメージに近くだけでなく、ダンサーと一緒に創っている事で、振付家がまだ見えていなかった新しいイメージが膨らむ事もある。
きっと素晴らしい作品となると思う。
ダンサーは、振付家が何をどうしたいのかをイメージし、振付家もどうしてほしいのかを伝え続ける。
私の師匠は、踊りを踊る時イメージ!イメージ!と言っていた。
今ならそのイメージする事の大事さがよく分かるよね。