坪井 教授の多様体の講義動画を見つけました。東京大学数学科の講義動画の様ですね。

多様体とは立体の表面上での座標での幾何学を研究する数学分野です。たとえば東京とニューヨークを結んだ曲線のなかで最小の長さの曲線はなにか?などの問題を考えたりするとき多様体的な要素が生じます。

「東大 幾何学I 」などして検索すると東大が提供してくれる講義動画が出てきます。

IT技術の発達で教室や学生管理の制約などは少なくなりました。

大学受験は廃止して希望者全員を受けいれる体制に変えてもいい時期ではないでしょうか?

もちろん学費は払うし、単位取得などは厳格にするなどして質は維持すべきですが。

 

なんらかのかたちで大学を支援する仕組みがあればもっと開かれた大学を創ることが出来ると思うし社会の為にも大学の為にもなる気がします。サラリーマンしながら学位が欲しいと思うメーカーの社員などは結構多いし、証券会社の社員で仕事に並行してもっと語学力や翻訳能力を高めたいから翻訳の学校に通いたいと言っている人も知っています。

 

上記の幾何学の教科書もkindleで購入できました。そもそも著者が坪井俊教授なので教科書を著者自身に解説してもらえるのですから素晴らしくありがたい話です。その道の第一人者の考え方を直接教授できる時代になっています。

 

この潮流は明らかに人類の力の追及は加速しています。数学や哲学や工学や料理や投資などあらゆる分野で専門家の技能的なノウハウが公開されていっています。

 

肩書にこだわらなければ、時代の最高峰の知識体系を独学できる環境が既にあるのです。

これは驚異的なことで20世紀ではどんな分野であれその道の専門知識が欲しかったら生活している土地を変えて、学校なり企業なりに所属する必要がありましたがそのような制約もぐっと減っています。

 

ネットで電子部品もアクチュエータも多様体の教科書も素粒子物理学の教科書も手には入ってしまいますし、論文も閲覧できます。

海外に行かなくてもオンライン英会話であるていど語学力を身に着けることが出来るし、もしかしたら自動翻訳装置がそれすら不要にしてしまうかもしれません。

 

知恵が欲しければ特に何の制約もなく取得できる時代にあってこれほどまで若者が大学受験に労力を注ぐ理由がどれほどあるのか、正直なところ私にはピンときません。

 

学生には知識を与えるよりも知識の取得の仕方。さらにそれ以上に、これほどまで人類が力の追及を続けた先に、自分自身は何のために生きていくのか?生きていきたいのか?といったより哲学的な問題に対する対処なのかもしれません。