サピエンス全史によれば、人類の最大の武器・特徴は「大規模に協力できること」だそうです。

ホモサピエンスは宗教・国家・お金などの虚構を信じることで大規模な協力を可能にします。これはあらゆる動物の中で唯一ホモサピエンスだけが持っている特殊能力だそうです。

 

協力するとは役割分担することです。食料を栽培する人、道具を作る人、子供の世話をする人、人々を楽しませる人、宗教的な儀式を取り仕切る人、統治する人、統治する人を補佐する人、取引を仲介する人、モノを運ぶ人、、、、、、

 

ヒトというか弱い動物が生きていくためには非常に多岐の役割を分担してこなす必要があります。

 

ホモサピエンスの社会において必要な役割は非常に多岐でもちろんすべての役割をうまくこなせる人はそうそういません。

大抵向き不向き・得意不得意というものがあります。

 

性格や体格、情緒や脳神経の性質などの違いによって人それぞれ得意とすることが違っているという考えは自然です。

 

人がこなすべき役割は非常に多いので、沢山の種類の個性・特性をもった人々が必要になります。このため、性格や気質などがより多様な集団ほど生き残り、勢力を拡大する確率が高かったと考察されています。

 

ここに発達障害を考えるヒントがあります。

 

例えば今日ADHDといわれる人々は集中力散漫だったり衝動的に行動しがちだといわれます。気持ちを抑えられない気質だと言われます。

このような人々は太古にあっては例えば食用が可能か不明なキノコや植物を率先して食べてくれたり、だれも行ったところのない地域を探索してくれる役割を担ってくれたかもしれません。

 

あるいはアスペルガー症候群と呼ばれる人々は、忖度の無い率直な意見を述べ、厳密な規律を集団に与えてくれた可能性があります。

 

内向的で活動的ではない安全志向な人々は、道具を造ったり子供たちの世話をしたりして共同体を静かに支えていたのかもしれません。

 

勇敢で攻撃的な人々は狩りでタンパク質を確保し、生息領域を拡大させ、外敵を追い払う役割を担っていたかもしれません。

 

 

ADHDのみからなる組織は方向性が定まらず崩壊する可能性が高いでしょう。アスペルガー気質の人のみからなる組織は協調性にかけ効率が悪く崩壊する可能性が高いでしょう。内向的な人のみからなる組織では勢力は拡大せず、攻撃的な外敵によって崩壊する可能性が高いでしょう。攻撃的な人々のみからなる組織は内部対立や外敵との戦によって崩壊する可能性が高いでしょう。

 

上記の様な様々な気質の人すべてを構成要因に抱擁する組織こそ多様で幅広い分野で役割分担が可能となり勢力を拡大させることができたのです。

 

今日発達障害と呼ばれる人々の本質は我々が「大規模に協力する動物」であった証拠ではないでしょうか?

病気とか障害だとか断言するにはあまりにも発達障害にカテゴライズされる人が多すぎるのです!

 

ADHDやアスペルガーが本当に障害だというのならそのような人々の遺伝子は淘汰されこんなにたくさん残っているのはおかしいのです。

 

発達障害とは人類が多様な役割を分担するために特定の分野に適した人々の総称なのだと私は解釈しています。残念ながら発達障害の人々は今日のサラリーマンのような労働は不得意としているにも関わらず、社会的な要請により半ば強制的に労働をしているため問題が生じているということではないでしょうか?