無限という概念は数字というより記号であって、無限∞を1とか2とかいった数字と同じように扱えると考えると理解から遠ざかってしまうようです。
一口に無限といっても二種類あるのです。それは可算無限と非可算無限の二つです。
可算無限とは例えば、「整数の個数」です。整数は無限にあるわけですが、番号を振っていくことができるのです。例えば-3<x<6の範囲で整数の数は何個か?と聞かれれば数を数えること=並べることができます。
-2,-1,0,1,2,3,4,5 これらの個数は8個だといった具合に任意の整数の隣の数字が確定しているので、一個ずつ数を数えるということができます。
こういったように番号を振って並べていくことができる要素をもった集合を可算無限集合といいます。
一方で、無理数は数字に番号を振って並べて(=数えて)いくことが出来ません。
例えばルート2は無理数で値は1.414213・・・という値になりますが、ルート2の隣の無理数というものは無いのです。無理数の隣の無理数というものはないのです。
これでは整数の場合のように数字に番号を振って数えることすらできません。
こういった番号を付けることすらできない要素をもった集合を非可算集合といいます。
カントールの対角線論法という証明法によって、非可算集合は可算集合より大きい(集合の濃度が大きい)ということが証明されました。可算集合と非可算集合の間に一対一対応の関係を見出そうとしてもどうやっても非可算集合の方は要素を並べることができないので対応関係を見出せないのです。
よって無理数が有理数よりもたくさんあるということが証明されました。
大量に無理数があるなかごくまれに有理数、整数が存在しているというのが実数のイメージなのです。
ここで生じる新しい疑問ですが可算無限と非可算無限の大小をくらべたら非可算無限のほうが大きいのは証明されましたが、では非可算無限よりさらに大きい無限や可算無限と非可算無限の間の大きさの無限はあるのか?ということです。
そういった無限があるのかどうか証明することができない。というのがゲーデルによって証明されているようです。
あるのかどうか分からないということが証明されてしまったのです。