図面を書くようになって分かったことがあります。図面作成は技術ではなく技能です。特に機械図面は建築図面とも違い扱う形状の種類の幅が非常に多いため経験を積まないと身につかない職人技なのです。、溶接工、パン屋さん、医者、スポーツ選手、、、その道で飯を食べるために研鑽を積まないとまともな図面は書けるようには多分ならないと思っています。情報が体系化しにくく図面を製図する技術論が確立していないのです。現状ではやってみて体で覚えるのが最も効率的だったりするのです。

 

読みやすい図面は読んでいていあまり目が疲れません。複数の図面に寸法や形状の情報が散っていたり、詳細の絵が本体から詳細を抜きだだしている絵から離れすぎていたりすると読み手はすごく読み難いです。こういった図面はあまりよくない図面です。

 

図面を読む際に人間の目は左上から右下に向かって動きます。そのため形状の全体像を示す大きな絵は左上に配置するのが原則です。大きい絵は左上に配置し、小さい部分詳細などは右下に配置するイメージで図面のレイアウトを考えるのが図面の原則だと理解しています。

 

また寸法線や引き出し線がひどく重なり合っていたり寸法線と寸法線のピッチがバラバラだったりすると読んでいて見ずらいです。引き出し線が何を指しているのか分かりにくい図面はよろしくありません。

 

また形状の情報をわかりやすく伝えたいためにむやみに絵を増やしてしまうのも考え物で、読み手にとっては親切である意味は確かにありますが、一方で、見る図形が増えてしまい読んでいて疲れる図面になる危険もあるのです。つまり図面はある程度コンパクトにまとまっていた方がいいのです。特に絵を増やした挙句入れる寸法が見当たらなくスカスカな図面を作ってしまったらいけません。そのスカスカなスペースを見るためにちょいちょい目線を動かすのは意外と疲れます。

 

読み手を眼精疲労に追い込むようなぐちゃぐちゃした図面ではなく、読み手の目線の動きを先取りして図形を配置するのがスマートな図面です。