対して荷重のかからないもの同士を溶接で一体化させようと思う場合はそれほど神経質にならなくても、適当に隅肉溶接を指示したり、板厚が厚い場合は開先を適当(大抵レ型、V型、K型)にとったり、機械品定番の溶接の入れ方を模倣(配管の溶接など)すれば溶接継ぎ手の強度計算などはしなくても良かったりします。しかし例えばクレーンや橋のように大きな荷重が加わる機械品の溶接を支持する場合はもっと力学的な根拠のある溶接指示を求められます。しかしながらこれは難しいのです。紙や鉛筆で計算した結果が本当に正しいのかと聞かれると正直皆不安なのです。

そこで先人たちはビルや橋を形作るような巨大な鋼材を使って引張試験を行ったのです!この実験の結果、クレーンの設計に代表されるように、巨大な荷重が加わる構造物に対する設計の基準はJISにまとめられていったのです。(クレーンの設計などで調べる出てきます。)

 

こういったデータが整っていなかった時代の巨大構造物の溶接法の決定などは製品の担当の設計屋が担っていました。小規模な引張試験の実験結果を利用して、強度係数などをかけたりして大規模な溶接継ぎ手の強度を見積もっていたそうです。