さて有限要素法は最終的に行列の形で変形量などが表示されます。そのため、有限要素法(あるいは固体力学)の完全な理解のためにはテンソル解析及び線形代数学の理解が前提となります。そのため、当面は線形代数学の要点についてまとめていこうと思っています。

今回は、特に大学学部課程の線形代数学の核心といえる行列の対角化の問題について触れておきます。

以下の問題です。

こまかな用語や理論の展開については別記事で触れていこうと思います。単なる専門書の要約にしてしまうのではつまらないので、私が学生時代に理解の障害だった点について記事にしていこうと思います。具体的には基底と固有値についてです。

行列を対角化してみせろという問題です。とりあえず今回は解答だけを提示していこう思います。

1.行列を対角化するためにはまず行列の固有値を求めます。

 

2.求めた固有値に対応する固有空間の基底(重要です。)を求めます。

 

3.変換行列Pを求めます。変換行列Pは固有空間に対応する基底を成分に持ちます。←ここ重要。

 

表現行列と基底の定義より、表現行列の成分αi,βi,γiを求めます。これで対角化は完了しました。

 

大抵、大学の理系では1,2年の線形代数の講義では行列の対角化できることを一つの達成水準に掲げています。

逆の言い方をすれば、この問題の解法の意味まで理解して問題を解くことができれば、とりあえず大学課程の線形代数の理論、計算手法は習得したとみなしていいと思います。この問題の完全な理解を目指して次回以降記事を書いていいきます。線形代数を整理したのち、その後、固体力学の話に移ろうと思います。