pcスキルが未熟なため、数式やマンガ絵などで記事を充実できないでいます。
日頃、機械設計・機械要素の参考書、メーカーカタログなどをみていると、各種寸法値や、性能のパラメータなどの計算式が天下りで提示されていて、その数式の根拠がブラックボックス化していることが非常に多いです。数値を入れればそれで設計計算ができるので、もちろん便利なんですが、自分の計算力や設計力が落ちていくようで怖い気もします。
本日は、ベルト電動装置のベルト長の計算式の導出をしてみました。ので記録として保存しておきます。いわゆる巻き掛け電動装置で、二つのプーリに平ベルトを巻き掛け、片方のプーリをモータで回転させ、ベルトとプーリの間で発生する摩擦で、もう片方のプーリを回します。頻繁に利用されている機構です。
(a)オープン掛け (b)クロス掛け の二つの場合について、ベルト長(赤線)の計算式(i)(ⅱ)を導出しました。
ほぼ高校範囲の平面幾何学なのですが、注1のマクローリン展開による近似を使わないと、式(i)(ⅱ)が導出できませんでした。
式(i)(ⅱ)はカタログや機械設計の参考書では結果だけが記載されていることがほとんどで、詳細な導出の解説を私は見たことがありません。
こういった計算式のみが提示され、式の適用範囲もよくわからないまま設計計算書を作成していくことが現在の設計の現場では非常に多いと思っております。(仕方ない面も多いと思います。)溶接記号の強度評価の計算式も自分でその式の正しさを理解していないにも関わらず、みんなが使っているから使っているということも多いです。
あまりにもアカデミックな内容で、専門のメーカや工学者にしか根拠がわからない式も非常に多いですが、こういった、素朴で頻出する計算式はある程度自分で導いたり、根拠をのべることができたりするのが大事なのだと思っていますが、勉強しようと思っていても、市販される参考書にも、この手の式変形の過程など初歩的すぎて?詳細に解説されていません。
こういった計算式導出も今後整理していきたいですね。