鴨の親子が見えなくなると、猫は水面を掛けるかのように、ピョンっと川岸へ跳ね上がる。

そこで小川をふり返ると、波紋が広がる水面を眺める。

その後に、いつも少年がやって来る、丘の上も眺めている。


そこを懐かしむように見つめている。

なにかを思い出しているようである。


すこしの時間を、そこで過ごす。

そして猫は、なにかに気づいて丘を登る。

いつもとは違う場所に歩き出す。