『明日、悲別で』
あした、かなしべつで
20年前に閉山した炭坑の町、悲別。散り散りになった若者たちは、2011年大晦日、閉山の日の約束を守って今や破綻寸前のこのふるさとに集ってくる。
彼らの交した約束とは、大昔この炭坑の第1坑道の地下300メートルの地底に先人達が埋めたという「希望」を封印したタイムカプセルを、みんなで探しに潜ろうということ。
だが20年の歳月は、若者たちを変えてしまっている。福島の原発労働者となって津波と爆発に遭遇した者、懸命にふるさとにしがみつき空しい町おこしに励む者、そしてこの町の町会議員になり、原発汚染の福島の瓦礫を引き受け、廃坑の地下1000メートルに石棺に入れて閉じ込めようと策す者。
300メートルの地下に希望があり、1000メートルの地下に今絶望を埋めようとしている悲別。約束を守った2人の若者が、空しくしか思えない希望を求めてかつてのなつかしい第1坑道へ2人っきりで入って行った。