2022年 5月14日の投稿

 

 

 

 

原文

 

Doubling your chances: For every ten times you try to sweep someone your own size and skill level from guard position, you can expect around seven to eight of them to fail due to a skilled opponents anticipation and resistance. Knowing this it is very important that you build the habit of rising up from bottom position and following a failed sweep with an attempted takedown. This gives you a second chance to reverse your opponent and take top position. Most beginners have a tendency to sit back down after a failed sweep - do the opposite - rise up into a follow up takedown and you’ll find that you double your chances of a score without adding a lot of effort. Interestingly these follow up takedowns tend to be easier than normal takedowns for the simple reason that the opponents stance and balance is usually broken by the initial sweep attempt, making takedown defense more difficult than usual. Next time you’re sweeping from guard, start that building that habit of coming UP rather than just sitting back down. 

 

 

 

和訳

 

チャンスを二倍に:あなたと同じサイズ、技術レベルの誰かをガードポジションから10回スイープしようとするなら、技術を持った相手の予測や抵抗によって7回や8回は失敗するだろうことは予測できるだろう。ボトムポジションから立ち上がり、テイクダウンを試みることによってスイープの失敗をフォローしようとする習慣を作る、ということを知ることは非常に重要である。このことはあなたに相手をひっくり返し、トップポジションをとる2回目のチャンスを与える。多くの初心者はスイープの失敗後に再び座りなおす傾向がある‐逆のことをしろ‐テイクダウンを徹底するために立ち上がれ、そうすれば大きな努力なしに得点のチャンスを2倍していることに気づくだろう。興味深いことに、このようにテイクダウンしに行くことは、相手のスタンスやバランスは先のスイープへの試みによって崩れているという簡単な理由のため、通常のテイクダウンよりもより簡単である傾向があり、テイクダウンディフェンスをすることは通常よりもより困難になる。今度ガードからスイープを狙うときには、ただ座りにもどるよりも立ちあがる習慣を作ることを始めなさい。 

 

 

 

 

感想

 

ちょっと前の投稿なのですが、最近の試合の試合やトレンド,また最近考えていることと通ずる内容でしたので、ピックアップしてみました。

 

ダナハー先生は明確には明言していないのですが、これは昨今のグラップリングのトレンドであるレッスルアップと同じと捉えても差し支えないでしょう。

 

レッスルアップをどう定義するかは難しい問題ではあると思うのですが、私個人の見解としては、ボトム、ガードポジションから立ち上がり、レスリングのスクランブルへとつなげていく一連の流れである、と理解しています。

 

先日のWNOでのファブリシオ・”ホカゲ”・アンドレイ対イーサン・クレリンステンは昨今のレッスルアップを象徴するような試合であったかもしれません。

 

 

 

 

6:19あたりから、クレリンステンはニーシールドハーフからレッスルアップでバックを取り、そのままバックチョークを決めました。

 

ADCC ‐66㎏の優勝候補の一角ともされていたホカゲが敗れたということもあり、今大会最大のアップセットだったと言えるでしょう。

 

この試合、ダナハーの見解から再考していましょう。

 

 

 

 

クレリンステンがボトム、ホカゲがトップです。

階級は同じ、クレリンステンからすると技量は同等以上でしょう。

クレリンステンはニーシールドガードからファルスリープを狙っています。

(ファルスリープをスイープとみなすかは難しい問題です。ファルスリープはサドルポジションへのエントリーの一種のため、上下の入れ替えは起こらず厳密にはスイープでは言えないでしょう。蟹バサミの要領で相手を崩す、という側面からここではスイープとして扱いたいです。)

 

 

 

画像ではわかりにくいですが、クレリンステンはホカゲの足をオーバーフック、上の足を相手の股の中に入れることでファルスイープを完成させようとしていると同時に、レッスルアップからのシングルレッグを狙っています。

 

 

 

レッスルアップ成功。

ホカゲからすると、ファルスリープとレッスルアップ、両方に対処しないといけないため、非常にやりにくそうでした。

クレリンステンはこの試合でほかにも幾度も積極的にレッスルアップを試みています。今回のバックテイクへとつながったレッスルアップも作戦のうちだったのでしょう。

 

 

 

足関節への対処やガードパスの技術レベルが発展してきたこともあり、昨今のグラップリングではトップゲームやレスリングの重要度が増してきているように思います。

 

ダナハーのNewWaveやその流れをくむB-Teamなどの練習を見るに、レスリングや柔道といった立ち技に力を入れているように感じます。

 

 

 

New Wave にてトレーニングする北京オリンピック金メダリスト石井慧。

ダナハーの柔道観についてはいずれ取り上げたい。

 

 

B-teamの公式YouTubeチャンネル。

Judo-Throwはもはや標準装備。ADCCでもよく見られた。

 

 

 

 

ボトムゲームについて、クレイグ・ジョーンズもこのように言っているようです。

 

「黒帯取り上げろ!」にクレイグ・ジョーンズが同意 | 柔術新聞 (ameblo.jp)

 

 

 

トップゲーム優勢の中、ボトムプレイヤーもレッスルアップとレスリングは選択肢にいれておかなければいけないかもしれません。

 

ぼくも最近ボトムしかやってないので立ち上がる意識をつけていきたいです。(小学生並みの感想)