金田一一は名探偵ではありません。事件を阻止できず、狙われた人々が全員殺されつくした後で謎解きの材料が揃って漸く犯人を暴いたというのでは完全敗北でしかないでしょう。それなのに、謎は解いたから俺の勝利だ!そんなことを平然と言っている一ですが、謎を解いても守れずに犯人に殺させてしまったら意味がありません。まあ、殺されたばかりか謎解きも出来なかった更に救いはありませんが。

しかも金田一は一応は殺して良い命なんて無いと「殺されたって仕方ないよ」と口を滑らせた美雪を叱責しましたが、被害者に対する嫌悪感を優先させて守ろうとする気持ちが薄くて犯人の殺害を許してしまうことが多々あり、原作名「秘宝島殺人事件でアニメでのサブタイトルは「悲報島殺人事件」で岩田とは無関係に美作らを殺した佐伯航一郎を財宝に目が眩んだ1人にすぎず、碧も既に殺したんだろうと決めつけて口汚く罵りましたが、犯罪者に対する差別意識が一にそう言わせたのです。実際は、航一郎と碧は仲良しの幼馴染で心から愛し合った恋人同士であり、航一郎の復讐は父親のためだけでなく碧を自殺に追いやった美作に対する憎悪もあり、財宝に対する欲望は欠片もなかったのです。

謎を解けば勝利したと明言して憚らない恥知らず、冤罪事件の元凶ゆえに殺人犯の濡れ衣を着せられた剣持の無実を証明するためにすら、自身の関係者に対する嫌悪感を優先させて情報収集のために堪えるということが出来ないのが金田一一です。

勝手に金田一耕助の孫という設定を作って連載し続け、横溝正史の遺族の許可を得ていないことを無視しておきながら今になって気にし始めて「あの名探偵の孫」と名前を隠してボカした表現にするなんて無意味であり、不自然な物言いにする愚を犯している原作者らには呆れます。