記念受験で臨む人は殆どいないと思う
幼少の頃からクラシックバレエを習い音楽教室に通いスクールに通って合格することだけを願っている受験生が殆どだと思うのですね
スタート地点で
宝塚歌劇団大好き
憧れのタカラジェンヌがいる
というのが有ることでしょう
いつか自分も宝塚大劇場でスポットライトを浴びたい=トップスターになりたい
エトワールでシャンシャンをくるっと回してラストに花を添えたい
華麗なダンスで客席を魅了したい
色々な夢があるでしょうね
叶えて欲しいですよね
1,000人受験して合格者は40名
残り960名の思いも背負って入学するのですからみんな花開いて欲しいですよね
年齢制限があるから精々4回しか受けることが出来ない
ここが一般の大学入試試験と決定的に異なるところ
たった2年で宝塚歌劇団の伝統としきたりと現役生のたゆまぬ努力を学ばなくてはいけない
勿論日舞、洋舞、声楽、演技について学ぶのは当然のこと
15歳から18歳までの女の子にとっては大変な事ですよね
生まれながらにジェンヌとして生きていく運命を背負っている人などそうはいないのですから
例え受験の時の成績や卒業の時の成績が悪くてもトップになった人は大勢いますよね
悪いと云っても最下位ではありませんよ、中位前後のおはなし
流石に成績基準にオーラと呼ばれる存在感は含まれませんし華も加味されません
勿論95期の礼真琴のようにトップぶっちぎりでその後も大活躍という人もいます
凄いですよね礼真琴さん
記念受験ではないのだけれど難関に合格してほっとしてしまった生徒さんが全くいなかったとは言えないのも事実でしょう
目の前にある断崖絶壁を制覇したのだから燃え尽き症候群に陥ったとしてもきつい言葉を投げかけられるわけもない
でも、燃え尽き症候群のまま宝塚音楽学校を卒業してしまったら困りますよね
やはりどこかで立ち直って舞台の上で輝いて貰いたいと願います
得意不得意は誰にでもあるものだと思います
日舞は得意だけれどデュエットダンスは苦手
あ、これは大問題だ、その逆ならいざ知らず
でも得意不得意を見つめ直す期間の学校生活
足りない部分はその道のトップが教えてくれる体制が整っている
人間誰しも完璧ではないのだから足りないものは足していけば良い
しかし不得意を克服できずに夢敗れてしまう人もいるのでしょう
何しろ客席にいるのは長年宝塚歌劇の舞台を見続けてきた人が多いのですからちょっとしたミスも観客席のため息に繋がっています過酷な現実に耐えられない人も沢山居たことでしょう
その時に残り960人分の気持ちも背負っているのだと考えて血のにじむような努力を重ねるか自分は所詮ここまでの人間だと諦めてしまうか
例えば新人公演
本役に比べれば力量が劣るのは当たり前
それでも観客席は贔屓がどこまで努力してその舞台に立ったのかを確認したい
諸手を挙げて全てのミスに目を瞑る人もいるでしょうし、ミスは将来の糧として温かく受け入れる人もいるでしょう
例えば京劇の演舞での本役との違いが余りにも激しかったとしても比べる相手が悪すぎたという温かい眼差しを送るのがファンというもの
本役のジェンヌは決して少なくない時間を割いて一生懸命に教え込む
教わる側は一つも逃さずものにしようと必死になる
それが今までの伝統だったのでしょう
これからは教える側の負担と教わる側の負担を低減するために個人がビデオを見て研究するように変わっていくのでしょう
果たしてそれであのクオリティーを守り抜けるかどうかは今後を見守るより他にありませんが
今までに上演された演目を知っている、見ている側からするとどうしても比較してしまう
だからこそ授業の中に生観劇という項目がある
生徒の中にはそれを甘やかしの授業、息抜きの授業と捉えてしまった勘違いちゃんもいたのかな
トップスターであってもトップを掴んだことが終着点ではなく納得のいく舞台人生を実感できたときの退団公演が終着点だと考えている人が沢山居るはず
そうでなければあれほど退団公演が輝いたりしないと思う
れいまどの退団公演であるアルカンシェル
鍵十字の旗がどうたらとか当時のドイツ軍兵士を登場させるのは如何なものかとかいう表面的な批評が見受けられましたが劇中にショーが織り込まれたりして意欲的な作品でしたよね
イケコありがとう
下級生の頃からずっと贔屓にしていたファンにしてみればトップに立ったことはいつかはやってくる退団へのカウントダウンの始まり
その悲しさを吹き飛ばしてくれる退団公演の輝き
宝塚音楽学校でそこまでは教え込めるわけはないですよね