【退職4日目】科研費打ち合わせ:分担研究者と研究協力者の違いとは? | 研究者によるインナージャーニー:「私」の記録と観察

研究者によるインナージャーニー:「私」の記録と観察

親の許す厳しい条件の中でしか進路が選べず、どうしたら望む道に進めるか必死でもがいた結果、社会人になって2度大学院に入り、研究者に。一番難しい「私」なるものを少しでも明らかにするために、日々の気づきを綴ることにしました。

退職4日目は、研究者らしい一日を過ごせました。

朝一に、採択された論文が掲載された雑誌届き、さっそく読み、

(先輩が書いた論文が本当に面白くてのめりこんでしまいました)。

午後は、このたび採択された科学研究費助成事業(通称、科研費)で行う共同研究の打ち合わせでした。

 

 

 

今回採択された研究のジャンルは、沖縄研究です。

戦後の沖縄問題を研究している5名の研究者で行います。

私は分担研究者としてこの研究に参画させていただきます。

 

この研究では、研究に関する史料のデータ整理がマストなのですが、

誰にそれをやってもらうかについて、議論しました。

 

 

 

史料の整理には人件費を確保しており、作業をする方に「研究協力者」という立場になってもらい、

報酬をお渡ししてやっていただく予定です。

(フリーランスの業務委託のような形)

ただし、その仕事は誰にでもできるわけではなく、ある程度の専門知識が必要なのです。

 

 

共同研究を行う研究者たちがやればいいのでは?と思われるかもしれませんが、

この研究を行うメンバー(研究代表者・分担研究者)は、報酬をもらって作業することができません

つまり、分担研究者と研究協力者は兼ねることができないのです。

 

 

両者の違いを簡単に言うと、

 

➀分担研究者

研究費(研究に必要な経費(旅費や物品)に充てる)が使える。

また、分担研究者に採択されたこと自体が、研究業績として評価される。

 

 

➁研究協力者

自分の裁量で使える研究費はない。

その代わり、作業等をして報酬を得ることはできる。

研究協力者になったことは、研究業績として評価されない。

 

 

なかなか人が見つからないという話になったので、私が史料のデータ整理の作業をすると申し出ましたが、

➀か➁を選ばないといけないという説明を受け、➀を選びました

 

 

 

➀を迷わず選んだのは、研究者としての業績になるからです。

実は、分担研究者になるためには、必ず受入機関がある研究者ではないとなれません。

 

大学の専任教員ではない立場だと、その条件を満たすのが非常に難しく、

私も受入機関が見つからないことを覚悟したのですが、

運よく、退職の1週間前を切ってギリギリ決まりました。

 

 

独立系研究者になるにあたって、

「大学専任教員でなくても、科研費の受入機関を持てる状態でありたい」と強く思っていたので、

それが叶った状態になれたことが本当に嬉しいです。

 

 

大学専任教員以外で、科研費の受入機関を持つ方法は、別の記事にする予定です。

 

5日目に続きます!

 

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