1972年に放映されたテレビアニメ『さすらいの太陽』。
私の大好きなアニメの一つです。
なお、演出には当時フリーだった富野由悠季監督が斧谷喜幸の名前で参加しています。



ストーリー・・・
昭和29年4月12日。同じ病院で二人の赤ちゃんが生まれた。
一人は大財閥の令嬢、もう一人は下町の貧しい屋台のおでん屋の家の娘だった。
だが、ひねくれた看護婦の野原道子(来宮良子)は、金持ちの恋人が出世のために道子を捨てて別の女性と結婚した怨みから二人をすり替えてしまう。



成長した令嬢、香田美紀(嘉手納清美→平井道子)は貧しい峰のぞみ(藤山ジュンコ)をいじめるが、二人は歌手になりたいという同じ夢を抱いていた。
実は美紀は、のぞみの歌手としての才能に嫉妬していたのである。
美紀が親の財力によって難なく芸能界デビューを果たしたのに対して、のぞみは「流し」の歌手として下積み生活を続けることになる。
やがて道子の弟・純の紹介でDMプロに入社し、ドサ回りを経た後、美紀の付人としての苦しい下積みの中で、美紀がレッスンを休んでまでへとへとになって仕事をし続けるのを見たのぞみは、「これで本物の歌が歌えるのか?」と疑問を抱き、デビュー寸前に師である江川いさお(朝戸鉄也)の元を離れ、「本物の歌とは何か」を求めて日本中を放浪する旅に出た。


素直な性格で誰にも親切なのぞみの行動は、旅先で出会った人々に強烈な印象を与えることになる。
時々披露される自作の「心のうた」とともに・・・。


その後、のぞみが芸能界から去って、一安心していた美紀は、妙な噂を聞くことになる。
ラジオの深夜番組に「心のうた」のリクエストが殺到しているというのである。
この噂は芸能関係者の間に「名前も不明な謎の歌手」「幻の心の歌」として、あっという間にひろがった。
相変わらず地方を巡っていたのぞみは、音楽祭に参加するというあるバンドグループと知り合った。
このバンドと一緒に参加することになったのぞみは音楽祭という思いがけない大舞台で「心の歌」を熱唱することになる。
会場は大感動の渦に包まれた。

本来は大財閥令嬢として生まれたのぞみの幸せを奪い彼女が多難な人生を送ることを眺めることを生き甲斐にしていた元看護婦の野原道子にとって、のぞみが芸能界に衝撃的なデビューを飾ったことは最悪の展開であった。
追い詰められた道子は最後の行動に出るのであった・・・。



『さすらいの太陽』は、初めて歌謡曲の世界をアニメ化した作品です。
内容は、大映テレビのドラマと似た感じですね。

また、エンディングで流れた「心のうた」は、しっとりとした心にしみる名曲です。
このアニメの主人公のモデルは、藤圭子さんだそうです。
藤圭子さんは、宇多田ヒカルさんのお母様です。



作詞:三条たかし
作曲:いずみたく
歌唱:堀江美都子



うたは私の 友達だから 
苦しい時も 私の味方 
たった一人で 淋しいけれど 
心のうたを みんなのうたに 
みんなのうたが 町いっぱいに 
いつか広がる 明日を信じよう 


うたはあなたの 友達だから 
悲しい時も あなたの味方 
私とあなたが 手を取り合って 
希望のうたを みんなのうたに 
みんなのうたが 空いっぱいに
いつか広がる 明日を信じよう 
いつか広がる 明日を信じよう






今日のところは、こんなこったす!