ストーリー・・・
ダンス映画でその名を謳われたトニイ・ハンター(フレッド・アステア )も、いまや自分の人気が下り坂になったことを悟らねばならなかった。
そこへブロードウェイ時代からの親友レスター(オスカー・レヴァント)とリリー(ナネット・ファブレイ)のマートン夫妻が、とくにトニイのためにミュージカル・コメディを書きあげたからといって、しきりに誘いをかけて来た。
トニイは舞台に自信がもてずためらったが、やはりニュー・ヨークへ行く決心をした。
マートン夫妻の新作は、「バンド・ワゴン」といったが、かれらの売り込みに乗って来たのは、高尚な芸術を目指すジェフリイ・コードヴァ(ジャック・ブキャナン)という男で、彼は「バンド・ワゴン」を「ファウスト」の近代的音楽劇化に折込もうとした。
これを知ってトニイやマートン夫妻はがっかりしたが、ジェフリイが説得上手のうえに金蔓もにぎっているので、彼のアイディアをそのまま受け入れることにした。
ジェフリイはトニイの相手役に意表をついてクラシック・バレエの新星ガブリエル“ギャビイ”・ジェラード(シド・チャリシー)を選んだ。
トニイとギャビイは新しい仕事への不安で、初めから喧嘩をしたが、ある夜、2人だけで語り合い、お互いの誤解やわだかまりもすっかり解けた。
いよいよ芸術的「バンド・ワゴン」はニュー・ヘヴンで幕をあけたが、ジェフリイのあまりにも現代ばなれしたアイディアのため、興行は惨々な失敗に終った。
だがトニイやマートン夫妻は自分たちの「バンド・ワゴン」をあきらめなかった。
トニイは今度の失敗はジェフリイが楽しさを盛り込むことを忘れたためだと考え、踊りや歌に明るく楽しい創意を加えたショウに作りあげた。


そして公演のために、トニイは自分の秘蔵の絵画をみんな売り払った。
自分の非をみとめたジェフリイもこの新しいショウに参加することになった。
トニイたちはニューヨーク公演に大事をとって、まず地方都市を打って回った。
この巡業中、トニイのビャビイを愛する気持ちは次第につのっていったが、彼はこれを自分の胸一つにおさめ、淋しくあきらめていた。
しかし、ギャビイも心秘かにトニイを愛していたのだ。
ブロードウェイの披露公演は大成功だった。
そのお祝いのパーティで、ギャビイはトニイに愛を打ち明け、トニイの喜びは絶頂に達した。



F.アステアの歌とダンスが、存分に楽しめる映画です。
簡単に言えば、落ちぶれたスターの再起の物語です。
映画で歌われるミュージカル・ナンバーも、すばらしい曲がいっぱいです。
例えば、『三つ子の歌』もおもしろいし、『ガールハント』のバレエもすばらしかったです。

中でも、一番のおすすめはラストに歌われる「That’s Entertainment」です。
なお、後にMGMミュージカルのテーマ曲になりました。
そして、アンソロジー映画『ザッツ・エンターテイメント』と映画タイトルにも使われました。







今日のところは、こんなこったす!